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高等裁判所が政府のシンベト・バル長官解任を差し止め
ネタニヤフ政権が、急速に右傾化するとともに、ガザ、レバノン、シリアでも攻撃を激化させいる。実質的には人質を見捨てた政府、国をどんどん戦争に駆り立てていく政府に懸念を持つ市民が増えている。
その象徴となっているのが、シンベトのロネン・バル長官の解任騒動である。
バル長官は、どちらかといえば左派的な立場で、これまで、モサドのデービッド・バルネア長官とともに、ハマスとの人質解放の交渉にあたってきた。
ネタニヤフ首相は今、交渉より、戦闘を優先する道を進んでいるためか、バル長官との信頼関係が失われているとして、解任を決定。国会でも審議と採択が行われ、4月10日を期限に解任することが決まった。
高等裁判所は、この政府の決定が出た数時間後に、バル長官の解任の差し止めを発表。遅くとも4月8日までに、これに反対する訴えが出なければ、バル長官の解任は発効となる。しかし、それまで解任は差し止められることになる。
また、ガリ・バハラブ・ミアラ検事総長は、政府が都合のよいシンベト長官の後継者を決めることを懸念し、これを禁止するだけでなく、候補者との面接も禁じると発表した。
このミアラ長官は、ネタニヤフ首相がずっと解任を試みているが、ミアラ検事総長は、この役職を政府の判断で解任、後退させることはできないと反論。今に至っている。
もし、バル長官解任反対への正式な訴えが出れば、いよいよ行政と司法が対決する形になる。
全国で10万人以上がバル長官解任反対のデモに参加
こうした中、3月22日、安息日明けの土曜夜、テルアビブの人質広場、エルサレム、ハイファ、ベエルシェバなど、全国各地で総数10万人以上ともみられる群衆が、バル長官解任に反対するデモに参加した。
世論調査によると、国民の62%が、バル長官の解任に反対と表明していた。これは、バル長官解任に関しることだけを意味する数字ではない。
人質を顧みず、ガザでの戦闘を再開したネタニヤフ首相が、今、独裁者のように暴走している、民主主義の崩壊を懸念をする国民が、半数以上いるということである。
テルアビブでは、ステージ上に「独裁を止めよう」「ネタニヤフは無能だ」などの文字が掲げられた。野党のラピード氏も参加していた。
エルサレムでは、警察との衝突も発生していた。
שוטר דוחף מפגינים רנדומליים בתוך קהל גדול של מפגינים
ירושלים 22/03/2025
צילום: @change_dir_il pic.twitter.com/l5fRq2F4KF
— אלימות ישראל (@Alimut_Israel) March 22, 2025
また、主要な労働く見合いとビジネスフォーラムが、政府が裁判所の指示に従うことを求める全国的なストを行うと警告している。全国の大学では1500人以上の教員が、本日23日(日)ストを決行する予定で、大学の授業に支障が出るとみられている。