雨の中で人質家族たちの反政府デモ:ネタニヤフ首相のカタールゲート事件関与を非難 2025.12.28

Crowds brave the rain to attend an anti-government protest in Tel Aviv’s Habima Square, on December 27, 2025. (Ofri Eitan/Pro-Democracy Protest Movement)

2023年10月7日以来、人質家族たちは、ほぼ毎週土曜、安息日明けに、テルアビブの人質広場でデモを行い、政府に対し、停戦してでも人質を取り戻すよう訴えてきた。

その後、人質は生存者も遺体もほぼ全員、帰還することができた。今もまだガザにあるのは、ラン・グビル軍曹の遺体のみとなっている。人質家族たちは、まだ毎週のデモを継続しているが、今は、以前よりもっと反政府、反ネタニヤフ首相と政治的な色合いになってきている。

12月27日(土)では、雨が降る中、10月7日のハマス襲撃を阻止できなかったこと。ネタニヤフ首相が、自身の責任を認めていないこと。現右派政権が司法を押さえつけて、超正統派の従軍免除を継続していることなど、政府に対するさまざまな訴えを出していた。

www.timesofisrael.com/former-police-chief-slams-netanyahu-at-rainy-anti-government-protest-in-tel-aviv/

しかし、今回特に注目されたのは、ネタニヤフ首相のカタール・ゲート事件との関連への訴えである。

カタールゲート事件とは、ネタニヤフ首相補佐官であった、ヨナタン・ユーリッチ氏、イーライ・フェルドステイン氏らが、人質交渉にあたっているカタールについて、イスラエルで良いイメージの情報を流すために雇われて、金銭を受け取っていた容疑である。

カタールは、ハマスの主要な支援国である。2人は、2024年10月に、国家への裏切りとして逮捕され、起訴された。

フェルドステイン氏は、これに加えて、ドイツのビルド紙に、ハマスに関する機密情報を漏洩していた疑惑でも訴えられている。

これらについて、フェルドステイン氏は、12月24、25日にイスラエルのテレビ、カンによるインタビューに初めて応じ、その様子が、放送された。

www.jpost.com/israel-news/politics-and-diplomacy/article-881319

フェデルステイン氏は、これらのことは、ネタニヤフ首相の関与なしでは不可能だとし、特に、ビルド紙への気密漏洩は、ネタニヤフ首相本人によるものだと訴えた。

なかなか複雑なスキャンダルだが、国家を裏切る行為である可能性もあり、ネタニヤフ首相に反発する人々にとっては、とうてい受け入れられない内容となっている。

27日のテルアビブでのデモでは、前警察長官のロニ・アルシェイキ氏が、ネタニヤフ首相の法的義務を主張して注目された。

イスラエル国内には、ネタニヤフ首相を支持する強硬右派から右派系の市民と、主に左派からなるテルアビブ系の市民との対立、分断がある。

どちらかといえば、前者の方が強いとは聞いているが、テルアビブでの反対デモも規模は小さくはない。戦争中は、あまり表に出ることはないが、停戦になるやいなや、内部の分断が、表明かしてくるという繰り返しのようである。

www.timesofisrael.com/scrutiny-around-qatargate-and-bild-leak-may-put-pm-one-step-closer-to-hot-seat/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。