元日本赤軍最高幹部の重信房子(76)が、20年の刑期を終えて28日、釈放されたことはイスラエルでも報じられた。1972年に発生したイスラエルのロッド空港(今のベングリオン空港の前身)でのテロ事件から50周年を迎える2日前のことである。
機関銃乱射と手榴弾にによるこのテロでは、26人(カナダ人1人、イスラエル人8人、プエルトルコのキリスト教徒17人)が死亡、80人が負傷した。このテロはパレスチナ人過激派組織PFLPによるもので、日本赤軍からは岡本幸三を含む3人が参加。日本人3人は自爆して身元がわからないようにするはずであった。
しかし、岡本だけは生き残って、日本赤軍が関与していたことが明らかになった。イスラエルは岡本に死刑を求刑しようとした。これは、イスラエルに死刑がないにも関わらず死刑を宣告されたナチスのアイヒマン以来であった。
しかし、最終的には終身刑となっていた。それから13年。岡本は、1985年に、パレスチナ組織との捕虜交換で釈放された。日本政府は、岡本を含む旧日本赤軍7人を指名手配したが、岡本はレバノンで、今も亡命状態を続けており、7人は、今も所在がわかっていない。
日本赤軍は2001年に解散宣言を出している。
www3.nhk.or.jp/news/html/20220528/k10013646951000.html
www.ynetnews.com/magazine/article/rkxxsvmu9
イスラエル有力紙は、重信が「見ず知らずの人に損害をかけた」と謝罪したことを伝えている。岡本はじめ、重信ももう高齢であり、イスラエルにとっては重要な事件だったかもしれないが、もはやそれほど大きな脅威ではないのか、こんなことがあったといった報道の仕方である。