解放された人質の健康状態:アロン・オヘルさんは両目失明の懸念も 2025.10.14

Einav Zangauker, Matan Zangauker and his partner Ilana Gritzwesky (Photo: IDF)

10月13日(月)に解放された20人は、それぞれが、家族との感動の再開を果たした。家族に再会するだけの健康は十分と判断されたからである。

日本では、BFPJapanを通して、アロンさんとノアさんの解放のために祈っていた人が少なくないと聞く。アロンさんの解放の時の様子は以下の通り。

Avinatan Or and Noa Argamani
(Photo: IDF)

ノアさんは、10月7日に、パートナーだったアビナタンさんと、引き裂かれるようにして拉致されていたが、今回、2人は再会することができた。

www.timesofisrael.com/freed-hostages-suffered-torture-starvation-and-long-periods-of-isolation-reports/

しかし、人質たちは、2年の間、監禁され、拷問され、暗闇にいたのであり、極度の飢餓で筋肉を失った状態にある。

栄養不良、極度の塩分・ビダミン欠乏症も考えられる。人質たちは、今後、シェバ、イチロフ、ベーリンソンと、トップレベルの病院でケアを受けている。

拉致前後のアロンさん IDF

中でも深刻なのがアロン・オヘルさんである。アロンさんは、10月7日の時点で、目に傷を負っていた。

眼科医によると、傷が眼球に達しており、感染もあるので、永久的な失明に陥る可能性がある。

その影響で反対側の目も失明に向かう可能性があるとのこと。

エルカナ・ボーボットさんは、開放前に大量の食事を与えられて、胃の調子が悪くなっている。マタン・アングレストさんは、手と指に負傷し、麻酔なしで治療を受けていたが、その後傷が悪化している。

心理的なことも含め、人質たちの癒しと回復のために祈りが必要である。

石のひとりごと

2年もの拘束に耐え抜いたイスラエル人たち。家族もけっしてあきらめなかった。イスラエル人たちに絶望に負けない強さを思わされる。人間をはるかに超える神の存在を、知っている人々ならではの証ではないかと思う。

しかし、彼らの戦いはこれからである。元人質で自殺した人もいる。極端な異常事態を経験して、普通の生活に戻った今、新たに出て来る苦しみがあるかもしれない。

心身霊魂の癒しのために。また生きて帰ってこなかった人質たち、戦死兵士たちの家族の心に主が、目をとめて、支えてくださるようにと祈る。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。