西岸地区各地で大暴動:リンチ危機の入植者がパレスチナ人1人殺害 2017.5.20

18日、ナブルスに近いパレスチナ人の町ハワラの国道60号線周辺で、パレスチナ人約200人が、現在もまだイスラエルの刑務所でハンストを行っているパレスチナ人を支持するデモを行った。

そこへイタマル在住のイスラエル人入植者の車両が通りかかったところ、パレスチナ人らに投石されて窓ガラスが割れるなどして命の危険を感じたため発砲。パレスチナ人のモアタズ・フセイン(23)が死亡。APのジャーナリスト1人が負傷した。

同情していた発砲者の妻が、夫は車の外に引きづり出されてリンチされそうだったと証言している。なお発砲は人間に向けてではなく空中に放ったと入植者は言っているもよう。「リンチされて死ぬと思った。」と語っている。

この日は、イスラエル人入植者の車両が投石され、発砲する事件がもう一件発生している。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4963987,00.html

上記事件の後、死亡したモアタズ・フセイン(23)の葬儀が行われたが、怒りに支配された群衆数千人が参列したとパレスチナ系メディアが伝えた。

www.maannews.com/Content.aspx?id=777150

<ユダヤ人の復讐>

この翌日、ナブルス地区のパレスチナ人の村のトラクターが放火された。そこにダビデの星とともにヘブライ語で、「復讐」との書き置きがあったことから、ユダヤ人過激派が、上記リンチ事件に対する復讐としてやったこととみられる。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4964366,00.html

<西岸地区、ガザ地区で暴動>

19日金曜、イスラエルの刑務所にいるハンストのパレスチナ囚人を支持するパレスチナ人数千人のデモが19日、西岸地区各地で発生し、イスラエルの治安部隊と暴力的な衝突となった。

これにより、パレスチナ人数十人とイスラエル兵2人が負傷した。

ガザ地区では、デモ隊がイスラエルとの国境に向かって近づき、無人地帯にまで及んできたため、イスラエル軍が催涙弾や銃撃で、おい散らそうとした。ガザ保険省によると、銃撃で8人、催涙弾で30人が負傷したという。

www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4964489,00.html

イスラエル刑務所でのハンストは4月17日にはじまったため、すでに1ヶ月が経過したことになる。首謀者のバルグーティは、おやつを食べていたところを撮影され、問題になったが、他の者も何かを食していなければ、医療的にも限界に達しているのではないかと思う。(筆者の予想でしかないが、多分食べている)

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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