西岸地区銃撃テロで3人死亡・復讐極右入植者たちがパレスチナ人村で大暴れ 2025.1.7

西岸地区で銃撃テロ:イスラエル人3人死亡

1月6日(月)朝、西岸地区北部の入植地ケドミムと、ナブルスの近くを通る主要道路の55号線で、パレスチナ人のテロリスト3人が、1台の車から降りて、ライフルで、走行する車に発砲。最初の車に乗っていた2人が死亡した。

続くバスにも発砲し、パレスチナ人運転手(63)を含む8人が負傷した。

これを目撃した民間人がテロリストたちに発砲したが、3人はすぐに車に戻って逃走。150メートル走ったところで、また車に向かって発砲し、乗っていた警察官が死亡した。

IDF

警察と軍は周辺を封鎖し、テロリストの捜索を行なっているが、まだ捕まったとの情報はない。

このテロで死亡したのは、ケドミムに在住する教師の女性2人、レイチェル・コーヘンさん(73)とアリーザ・ライズさん(70)、警察官のエラッド・ヤコブ・ウインケルスタインさん(35)の3人。

ウインケルスタインさんは、3人の子供の父親で、この日は休暇だった。殺害された時、息子が1人、一緒に車に乗っていたが、息子は無事だった。幼い息子の目の前で、父親が死亡したことになる。

犯行声明は出ていないが、ハマスが、これを賞賛する声明を出している。

www.timesofisrael.com/3-israelis-killed-8-wounded-in-west-bank-terror-shooting-idf-hunting-for-gunmen/

過激入植者たち約100人が復讐でパレスチナ人村を襲撃

上記テロ事件が発生した数時間後、約100人の過激なユダヤ人入植者たちが、周辺の多数のパレスチナ人の村へなだれこみ、家屋や車に火を放って大暴れした。

イスラエルの左派系人権団体イエシュ・ディンのよると、極右ユダヤ人のグループが。Xにアル・ファンドク(今回のテロが発生した地域)を消そうと、暴動を呼びかける投稿をしていたとのこと。

また近くにいたイスラエルの治安部隊は、これに介入して阻止しようとしていなかったと報告している。

www.timesofisrael.com/settlers-said-to-rampage-through-palestinian-villages-after-deadly-terror-shooting/

どろどろの暴力の応酬が続いている西岸地区

毎回、報道には出ていないが、西岸地区では、パレスチナ自治政府がテロ組織を取り締まる動きを見せている中、イスラエル軍や国境警備隊もテロ組織とその計画を阻止する活動を続けており、死者が出る衝突が続いている。

今回のテロがあった場所は、55号線が通るパレスチナ人の村アル・フンドゥクで、これまでからも投石事件やテロ事件が、多数発生している地域であった。

また、このテロの前日、1月5日(日)、ジェニンの近くでは、イスラエル軍がテロ容疑者らを逮捕しようと踏み込んだところ、逃げようとしたので発砲し、ハッサン・ラバイヤが死亡していた。

さらにこの日、ナブルスのアスカル難民キャンプでは、パレスチナ人たちが、イスラエル兵たちに爆薬を投げつけてきたため反撃したところ、一人が死亡した。17歳の少年だった。

この翌日に、イスラエル人3人が銃撃テロで殺され、その後は、また極右ユダヤ人たちが、多数のパレスチナ人の村を襲撃したということである。双方が、やられたら、やりかえすの繰り返しになっているようである。

www.timesofisrael.com/3-israelis-killed-8-wounded-in-west-bank-terror-shooting-idf-hunting-for-gunmen/

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。