西岸地区の極右過激ユダヤ人たちがアラブ人政治家を襲撃 2025.7.20

イスラエルの国会には、アラブ政党があり、アラブ人議員もいて国会で、発言もする。アラブ人議員のアイマン・オデ氏は、堂々とガザのハマスやパレスチナ人を擁護する発言をし続けている。

それは今に始まったことではないが、先週、7月14日(月)、国会では、オデ氏を排斥しようとする動きがあった。しかし、投票で、90票必要なところ、73票しかえられなかったため、オデ氏は、国会に残留することとなった。

www.timesofisrael.com/motion-to-expel-odeh-from-knesset-fails-to-pass-amid-heckling-by-coalition-members/

その後の19日(土)、オデ氏が、左派勢力がテルアビブ南部、ネス・チオナで行う、反戦デモに参加しようと向かっている途中で、数十人の過激右派グループの襲撃を受けた。

右派たちは、車を殴りながら、「アラブに死を!」と叫び、オデ氏を呪い続けたという。車が破損するほどの暴力だった。

x.com/kann_news/status/1946605738115133696?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1946605738115133696%7Ctwgr%5E174be51baf73d7490522e8e76c738dc896e619cb%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.timesofisrael.com%2Fright-wing-protesters-attack-car-transporting-mk-ayman-odeh-chant-death-to-arabs%2F

かけつけた警察が3人を逮捕した。3人は、ネス・チオナ住民で、オデ氏とこの日の反戦デモを阻止しようとしていた。以下は、ネス・チオナでも、デモに遭遇したオデ氏の様子。

警察はデモ責任者に警告し、治安部隊を増強すると伝えて、デモは続行された。左派デモ隊は、「我々はファシズムには負けない」と言っていた。

www.timesofisrael.com/right-wing-protesters-attack-car-transporting-mk-ayman-odeh-chant-death-to-arabs/

石のひとりごと

この強硬右派というのは、新約聖書時代で言うなら、熱心党だろうか。今のイスラエルは、政府が強硬右派なので、この熱心党たちが、どんどんエスカレートしているようである。

西暦70年にイスラエルがローマ帝国に滅ぼされた時は、ローマ帝国に妥協する派とそうでない熱心党たちの間に、究極の分断があった。

無論、こんな過激な人は、イスラエルのごく一部だが、このような爆発的な動きが、今後、イスラエルにどう影響してくるのか、主にとりなすのみである。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。