パレスチナ囚人90人が西岸地区ラマラと東エルサレムに釈放される直前の1月19日(日)、ヨルダン側西岸地区では、過激ユダヤ人入植者たち数十人が、パレスチナ人の3つの村を襲撃し、家2軒と車4台に放火した。
車のうち1台は、ガスタンクを積んでいたことから、大爆発に発展した。これにより、86歳のパレスチナ男性が病院に搬送されたとのこと。
תיעוד מהכפר פונדוק הלילה: עשרות רעולי פנים מגיעים ומציתים כלי רכב ומבנים pic.twitter.com/34WJF3ants
— Nurit Yohanan (@nurityohanan) January 21, 2025
タイミング的にも、過激入植者たちが、パレスチナ囚人の釈放に反発してのテロ行為であったとみられている。
イスラエル軍は、これを取り押さえて、2人を逮捕した。イスラエル軍は、現在、パレスチナ囚人が釈放されることで、西岸地区や東エルサレムで、兵力を増強して、テロ対策にあたっているが、皮肉にも最初に逮捕したのは、過激ユダヤ人2人であった。
その翌日1月20日には、過激ユダヤ人入植者2人(20歳台)が、仮面をつけて、パレスチナ人の村の近くの前哨地に近づき、国境警備隊員に唐辛子スプレーを吹きかけた。
このため警備隊員は、2人に発砲し、2人は負傷して、病院に搬送された。2人は重傷とのこと。なぜ警察にそのようなことをしたのかはまだわかっていない。
なお、これに先立つ1月18日、カッツ国防相は、ハマスとの合意が成立して、テロリストが釈放されることが決まったことを受けて、パレスチナ人への暴力のよる行政措置等で拘束されている入植者7人を釈放していた。
西岸地区では、日々パレスチナ人テロリストの摘発と逮捕が行われつつ、前に逮捕した者たちを90人も釈放したという、なんともおかしな話であり、過激右派ユダヤ人たちには、受け入れ難いのである。カッツ国防相の対策はその怒りを少し和らげるためだったかもしれない。
イスラエルの警察は、極右のベングビル氏が国内治安相として管轄しており、過激入植者たちの、パレスチナ人への暴力を放置していると非難されている。
今後、過激入植者たちの暴力が、国際的にも問題になってくる可能性があるが、トランプ大統領は、この人々へ、バイデン前大統領が課した制裁を解除すると宣言したばかりである。