西岸地区での衝突・死者も続く:パレスチナ人世論調査で10月7日支持者は71% 2024.3.23

ドレフ周辺 IDF

続くイスラエル軍との衝突

1)森中のパレスチナ人テロリストと数時間銃撃戦

西岸地区情勢も厳しい。22日早朝5時、西岸地区の入植地ドレフで、パレスチナ人が、森の中から、イスラエル人が乗ったミニバスに発砲。銃撃戦が数時間続いたという。この衝突でイスラエル兵7人が負傷した。3人が重傷。

IDFは、ヘリコプターとドローンで、上空からテロリストを探し、上からの攻撃で、これを排除した。

この5ヶ月の間に、イスラエル軍ととの衝突で、パレスチナ人400人以上(ほとんどがテロリスト)が死亡している。

www.timesofisrael.com/7-hurt-in-hours-long-clashes-with-terrorist-in-west-bank-gunman-killed-in-airstrike/

2)ジェニン近くでイスラム聖戦4人をドローンで殺害

20日午後、ジェニンで車を運転していたパレスチナ人4人をイスラエル軍が、ドローンで攻撃し、3人が死亡。その数時間後、トゥルカレムでも攻撃を行いパレスチナ人2人が死亡した。

イスラエル軍によると、先に攻撃した4人は、イスラム聖戦の戦闘員で、2023年5月に、メイア・タマリさんをテロで殺害し、6月にも銃撃で兵士4人と民間人1人を負傷させたテロに関わっていたと発表している。

こうした事件は、もはや全部あげられないほどに、発生している。イスラエル軍は、テロには必ず倍返しにいかないまでも、反撃を行うとともに、新たなテロ攻撃を未然にふせぐための捜索と拘束を日夜続けている。

www.timesofisrael.com/us-fighter-jets-strike-underground-houthi-storage-sites-in-yemen/

パレスチナ人の世論調査:10月7日攻撃に賛同71%

パレスチナ政策・調査研究センター(カリル・シカキ代表)が、パレスチナ人1580人に対して行った世論調査によると、10月7日のハマスによるイスラエル人虐殺は「正しい」ことであったと考えるパレスチナ人(西岸地区在住)は、前回12月の時点では82%であったのが、3月には71%と減少していた。

一方、ガザのパレスチナ人は、12月の時点で57%であったものが71%にまで増えた形である。総合的にみれば、前回12月に調査した際は、10月7日のハマス攻撃を正しいと考えていた人は、72%であったので、3月に71%と若干減ったとはいえ、まだ相当な数であり、これは、パレスチナ人のイスラエルへの憎しみを表しているといえる。

将来ガザを支配する者として、ハマスを望むかとうかについては、西岸地区のパレスチナ人に間では、64%で12月の75%からは減少していた。一方ガザのパレスチナ人たちの間では、12月に時点で38%から、3月には52%と増加していた。

なお、カリル・シカキ氏には、実際にお会いしたことがあるが、きちんとしたパレスチナ人で、イスラエルのメディアからも信頼されている情報源であると思われる。詳しいデータは以下の記事に挙げられている。

www.timesofisrael.com/palestinians-increasingly-happy-with-october-7-even-as-hamas-support-droops-poll/

石のひとりごと

実際のところ、イスラエル国内では、イスラエル人とパレスチナ人が一緒に働いていることも不思議ではない。メディアが騒ぐほどに憎み合っているというわけではないとも感じる。皆、生きていくための日常生活だからである。

特別に仲が良い人もいるかもしれないが、一般的には、互いの間には、不思議なタブー間があり、やはり距離はあると感じる。政治的な論議はせずに日々を過ごしていると思う。

ラマダンはまだ続く中、エルサレムはじめ、各地で、この微妙な距離感が維持され、衝突にならないようにと緊張の中、祈る。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。