フィリピンを襲った台風30号の被害が想像以上に大きい。
11日にイスラエルからフィリピンへ派遣されたレスキュー隊に続いて、昨夜13日、148人からなるイスラエル軍の緊急医療チームが、100トンの救援物資とともに、フィリピンへむけて出発。今朝セブ島に到着した。
チームは、被害の最も大きいタクロバンに緊急医療施設を設営する予定だったが、最新情報によると、ボゴ市で、地元の病院をサポートすることになっている。
<フィリピン現状まとめ>
死者は当初1万人を超えると報道されたが、今日、政府から現時点で2344人との新たな発表があった。しかし、被災地の破壊の様子は尋常でなく、86万人が家を失い、多くはまだがれきの中で、野宿状態が続いている。
フィリピン政府によると、道路が寸断されているため、支援物資が届いているのは、6日経った今もまだ2割程度。これはすなわち、8割の人々は食糧、水がないまま6日になることを意味する。
人々は生きるために略奪している。略奪先の壁が落ちて8人が死亡したとの悲しい事件も。略奪隊と治安部隊の間で銃撃戦になったとの情報もあり、住民の暴徒化で、治安が悪化の一途をたどっている。
遺体は収容されないまま散乱しており、不衛生な水や生活環境から感染症が発生するのは時間の問題。被災地では、無事に残っていた医療施設がフル回転しているが、医療物資が底をつきかけており、必要にまったく追いついていない。
人々は被災地から脱出しようとしている。アメリカ軍の輸送機が避難民らをマニラへ輸送中である。
アメリカは、大規模に海軍を派遣し、空母から輸送機やヘリコプターなどで、人の救出や、物資の搬入を行っている。病院船も派遣されたが到着は12月になる見通し。
日本政府からの支援は、1000万ドル(10億円)。アメリカ(20億円)、イギリス(16億円)に次ぐ世界第3位の支援額。
またJDR(日本災害救助隊)から医師・看護師22人を含む27人がフィリピンへ派遣され、タクロバンを目指したが、道路事情が悪いことと、住民の暴徒化で、まだ活動が開始できていない。現在、マニラで方針を検討中。