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プーチン大統領が20万人を前にロシアの栄光を強調
ウクライナにロシア軍が侵攻して3週間が経過した。ウクライナ軍による激しい抵抗、世界をあげてのいまだかつてないレベルの経済制裁や、ロシア国内からも市民や、著名人が次々に反戦を表明している。
しかし、恐るべきことに、そんなことは全く気にしていないかのように、プーチン大統領が、モスクワのスタジアムで、クリミア半島制圧記念イベントを開催した。
20万人のロシア人たちが、ロシア国旗を振り回す中、演説を行い、ロシアが不動であるかのような様子を見せた。ステージには、「ナチズムのない世界へ」とのテーマが書かれている。プーチン大統領は、我々ロシア人は、共通の運命によってひとつだとし、ロシアに戻ったクリミア半島に祝いを宣言した。
また、「(ウクライナ)で行われている虐殺から人々を解放すること。それが今のウクライナでの戦争だ。」とし、「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」(ヨハネ15:13)とあるように、そのために戦っているのだ。」と聖書まで引用した。
プーチン大統領は、死亡した軍の司令官を引き合いに出し、ロシアの栄光のために戦うと語った。また、今ほどロシアが一致していることはないとも述べた。
数えきれないロシアの旗とともに、Zの旗がはためいている。
プーチン大統領に興奮しているかのような人々の様子からは、かつてドイツを立て直すと宣言し、プロパガンダで人々を煽り、国の栄光を取り戻すと叫んだヒトラーに興奮していた人々の様子を思い出せなくもない。
ナチズムを批判するプーチン大統領自身の方が、ナチ化しているような様相である。
<プーチン大統領と直接会談を訴えるゼレンスキー大統領>
1)深刻度を増す戦争
キエフを包囲するロシア軍は、激しいウクライナ軍の反発を受けながらも、じわじわと砲撃を続けている。また、激しい攻撃が続くマリウポリの町の様子は壮絶なまでに破壊されている。
先日破壊されたシアターの地下からは130人が救出されたとのことだが、まだ1300人近くが埋もれている可能性もある。救援活動ができなくなっており、地下に避難している住民たちの食糧や水がいよいよ底をつくと言われている。
さらに西部、ポーランド国境に近いルビウでも、黒海から発射されたミサイルが、飛行場修理施設に着弾し、破壊された。ロシアによる侵攻がはじまってから、ウクライナ人の死者(15日時点)は、OHCHR(国連人権高等弁務官事務所)によると、市民1900人で、このうち726人が爆撃で死亡している。子供の死者は109人。
news.un.org/en/story/2022/03/1114182
リビウでは、100台のベビーカーが並べられ、死亡した子供達のメモリアルとされた。
ウクライナから避難した難民は、327万人(ウクライナ総人口4400万人中)を超えた。男性が国外に出られないため、女性と子供たちが逃避行に出ているのだが、今懸念されているのは、お金の亡くなった女性たちが性奴隷にされることである。世界で起こる内戦では、つねにそういうことが発生してきている。
ゼレンスキー大統領は各国の国会や議会への訴えを続けている。先にドイツの国会では、ドイツがウクライナ人の命より、自国の経済を優先していると素直に非難の声も挙げた。明日はエルサレムの国会への演説が予定されている。
2)戦争に反対するロシア人も
一方、漏れ聞こえてくるのは、どこへ行くのか、戦いの目的も知らされないまま、後方支援も途絶えたロシア兵たちの悲壮な声である。士気も落ちているもようで、これまでに少なくとも7000人のロシア人が死亡している。
www.nytimes.com/2022/03/16/us/politics/russia-troop-deaths.html
ロシア各地では反戦デモが行われていたが、最近では、何も言わなくてもなんらかの反戦の意思表示をしただけで、逮捕されるようになっているという。
しかし、日本でも伝えられているように、ロシアのボリショイ・バレエ団のプリマダンサーが戦争を批判して退団。
ロシア人国営放送の女性アナウンサー、マリナ・オフシャニコワさんが、反戦のプラカードをテレビの生放送中のニュースキャスターの背後で掲げて注目をあびた。マリナさんは、いったん身柄を拘束されたが、その後罰金を払うことで、釈放されたもようである。
また、今日は、宇宙にいるロシア人宇宙飛行士が、黄色と青のウクライナ・カラーのユニフォームを着て、カメラの前に登場して、ウクライナ支援を表明した。(これについては後に否定する声明が出された)
プーチン大統領の支えとされるオリガルヒと呼ばれる富豪たちも、次々に反戦を表明し、次々にロシアを離れているとの情報もある。
こうした中だが、ゼレンスキー大統領は19日、プーチン大統領に、ロシアの破壊も深刻だとして、直接話し合う時だと訴えかけた。
実現するかどうかは、全く不透明だが、直接会談については、ベネット首相を通じて、エルサレムでとの情報もあるが、ここへ来てトルコがそのホストになると手を上げている。
<石のひとりごと>
世界はここからどこへむかうのだろうか。これほどまでに嫌われてもなお、ここまで強く立っているプーチン大統領。霊的にも普通ではないように思う。世界中で、祈りがささげられているが、それにもまったく負けていない様子である。
それでも、天地創造の神に勝てるものはいない。その時がいつなのかは、わからないが、その時は必ずくる。This too shall pass. 悪が正義に勝つことはない。
あなたは心のうちで罪人をねたんではならない。ただいつも主を恐れていよ。確かに終わりがある。あなたの望みは断ち切られることはない。(箴言23:17-18)