緊急祈り求む:ガザで重傷負った日系イスラエル人兵士回復のために 2024.9.4

IDF troops practicing the evacuation of a wounded soldier on a sling-like stretcher (photo credit: IDF Spokesperson's Unit)

Kさん負傷の経緯と現状

イスラエル在住の知人より、祈りの要請が来た。ガザでの戦闘が続く中、母親が日本人の日系イスラエル人のKさん(22)が、8月、ガザで戦闘中に重傷を負った。

一緒にいた兵士3人は死亡しているので、生きているだけでも奇跡だったといえる。Kさんは、自腹で購入した高性能の防弾チョッキを着ていて、助かっていたとみられている。

Kさんは、戦闘部隊衛生兵だった。肺と腹部に負傷したとき、近くにいた同僚を支持して的確な対処をしていたため助かったとみられる。その後は、自分にかまわず、もっとひどい傷の人を助けるよう指示していたという。

ベエルシェバの病院に搬送されたあと、Kさんは、大腸の一部、小腸の一部を切除する手術を何回かに分けて受けた。こちらは成功しており、普通の生活に戻れるだろうとの見通しである。

しかし、問題は、肺である。肺に負傷した兵士が併発するタイプの肺炎に陥っている。ガザは不衛生であるため、通常の抗生物質では効かない菌やウイルスも存在するとみられる。

Kさんは、現在も病院で麻酔の下で、気管切開での人工呼吸器の管理に置かれており、まだ余談を許さない状況だという。回復のためにお祈りください。

10月7日・自主的にスデロットへ向かったKさん

Kさんは、昨年10月7日の侵入が発声した時、自主的に現場へ駆けつけて、まだイスラエル軍本体が到着する前に、衛生兵として多くの負傷者や負傷兵を助けたとして、イスラエルのテレビでもとりあげられていた。

Kさんは、レホボトと、ガザには比較的近いところに住んでいた。昨年10月7日のハマス侵入の際、ハマスがスデロットに侵入する様子をニュースで見ると、いてもたってもいられず、自発的に、軍服を着、持っていた銃と救急用具(Kさんは戦闘部隊衛生兵)を持って自分の車でスデロットへ向かった。

現地でイスラエルの潜入部隊に部隊に遭遇し、合流する形となった。Kさんは、現場で無惨に殺されている多くの遺体を目撃し、一部の写真を母親にも送っていた。

負傷している兵士3-4人に救急措置を施して防弾の救急車に乗せた。まだハマスの銃撃戦が続く中での作業であり、Kさんたちはハマス戦闘員たちを殺したかどうかはわからないが、無力化していったと語っている。

スデロットにイスラエル軍が到着すると、Kさんたちは、続いて、キブツ・ニール・アムへ移動するよう指示された。そこでも激しい戦闘が行われていたという。続いてキブツ・ニリム、キブツ・べエリでの戦闘に加わった。

その後、Kさんは正式に徴兵され、軍に所属となっていた。

*ご家族の希望により、写真や名前は伏せる形になっています。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。