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カトリックのレオ14世教皇は、11月29日にトルコを訪問。続いてレバノンを訪問し、3日間滞在した。
トルコでブルーモスク訪問
トルコの首都、イスタンブールには、元教会だが、今はモスクという位置付けになっているアヤソフィアがある。アヤソフィアは、ビザンチン時代には教会だったので、天井には大きなイエスの絵が描かれている。
しかしその後、イスラム帝国になってからはモスクになって500年以上。その後70年以上前に、強硬なイスラム教ではなかったトルコ政府の間に、いったん博物館とされた。
しかし、2020年、今のエルドアン大統領が、再びモスクであると宣言する。このように歴史的な傷を抱えるモスクである。

今回、レオ14世は、この複雑な歴史を持つアヤソフィアには行かなかった。
しかし、アメリカ国籍の教皇として、初めて、ブルーモスクへの訪問を行った。敬意を表するため、中では靴を脱いでいたとのこと。
ブルーモスクは、オスマントルコ時代に建てられた美しいモスクである。
一方正教会代表のバーソロミュー総主教とは会談。これはいわば西側のカトリックと東側の正教会のトップが会談した形である。2人は戦争が続く世界について語り合い、指導者たちに平和を呼びかけた。
レバノン訪問:キリスト教徒が人口の3割の国
その後、レオ14世は、レバノンに向かった。レバノンは現在、イスラム主導の国だが、国民の3分の1はキリスト教徒である。
しかし、近年の戦争続きの中、レバノンでは、キリスト教徒の数は減少している。このため、前のフランシス教皇は、レバノンへの訪問を願っていたが、生前に訪問はかなわなかった。今回、バチカンとしては感動の訪問である。
レバノンにおいて、レオ14世は、カトリックだけでなく、正教会の信者や、シリア難民の中のキリスト信者たちにも会い、大きな希望になったと言われている。
最終日の12月2日、ルイ14世は、2020年8月に発生したベイルートの港での大爆発(218人死亡・経済崩壊をもたらした)の現場で祈りを捧げ、メッセージを語った。
ルイ14世は、「民族的、政治的分裂の鎧を脱ぎ捨て、宗教的な違いにもオープンになり、一つのレバノンの夢に目覚めよう。」と述べ、平和の実現を呼びかけた。
この時、犠牲者の写真などを掲げるキリスト教徒たち15万人が集まっていた。
特にイスラエルとの戦いが緊張度を増している南部については、訪問はしなかった。南部にいる多くのカトリック信者には、残念なことだった。
レオ14世は、「武力がなんの益ももたらさないことはわかっていることだ。対話にはその可能性がある。攻撃や敵意が鎮まるように」と述べた。

レバノンのアウン大統領は、ルイ14世教皇に平和を祈り続けるよう要請した。
