目次
イスラエルをとりまくガザ、レバノン国境でも戦火拡大が懸念されているが、アメリカとイランが、武力対決を示唆する口論になっている。
その背後で、ギリシャによる毎年恒例の空軍合同訓練が行われ、湾岸諸国にイスラエルとカタールの空軍も加わって、合同演習を行った。中東全体の緊張が高まる様相にある。
イランがアメリカに対立姿勢
イランの核兵器開発は、イスラエルのみならず、世界の脅威である。2015年、オバマ前大統領の時に、欧米諸国に中国も入る先進諸国とイランが、核兵器開発に関する協議を行って、JCPOA(包括的共同作業計画)を発動させた。イランの核開発に多少のブレーキをかけた感じであった。
しかし、この計画では、イランの核兵器開発施設は温存された上、経済制裁が段階的に緩和されたので、イランは通常兵器の開発を進めることになり、期限切れとともに、合法的に核兵器開発を再開できることになる。
トランプ大統領は、前期の時に、単独でこの合意から離脱し、イランへの経済制裁を再開させていた。続くバイデン大統領もおおむね、その体制は変えていなかった。
これに対し、イランも約束は守らないとして、ウランの濃縮を60%にまであげて、核兵器完成まで後一歩というところにまできている。こうした中で、今年、JCPOA発動から10年になり、期限切れを迎える。
トランプ大統領は、3月初頭、スイスを経由国として、イランと新たな核開発に関する協議を申し出る書簡を出した。それによると、2か月を期限として、返事を待つとし、もし協議に応じない場合は、攻撃することになるとも伝えていた。
これに対し、昨日30日(日)、イランのペゼシュキアン大統領が、やはりスイスを経由して、イランは、2015年のJCPOAに基づく話し合いには応じる用意はあるとし、そこから単独離脱したアメリカの方が、戻ってくるべきではないかと返答した。
アメリカが提案する、新たな核兵器開発に関する協議には、応じないと表明したことになる。
するとトランプ大統領は、「イランが交渉に応じないとなれば、攻撃することになるが、これまでに見たことがないような激しいものになるだろう」とメディアでのインタビューで語った。また二次関税の可能性にも言及した。
すると今度は、イランのイスラム最高指導者のハメネイ師が、31日(月)、「アメリカとイランの対立は常に存在している。実際に戦闘になるとは考えてはいないが、もし、アメリカが本当に攻撃してきたら、イランは、断固即時に対応することになる。」と対決姿勢を表明した。
この翌日、イラン政権関連のテヘラン・タイムスは、イラン軍が、米軍の拠点に届くミサイルを配備したと報じた。また一部は地下に温存されているとも付け加えて、地上のミサイルを攻撃しただけでは終わらないということも表明した。
www.timesofisrael.com/iran-will-deliver-strong-blow-against-us-if-it-attacks-khamenei-warns/
ギリシャの空軍合同演習にイスラエルとカタールも参加
緊張が高まる中、3月24日から、4月13日までの間、ギリシャが毎年、欧米諸国と湾岸諸国を招いて行っている空軍の合同演習「イコニウス25」が行われている。イコニウスでは、合同演習だけでなく、新しく開発した航空機なども披露される時となる。
Ynetによると、通常、イコニウスでは、参加するアラブ諸国(スンニ派)がその名前を出すことはないが、今年は、カタールとUAEが名前を出して参加していたことが注目された。
この他では、アメリカ、フランス。インド。イタリア、スロベニア、スペイン、開催国ギリシャもそれぞれの航空機で参加した。
イスラエルも今年は2年ぶりに、最先端の情報収集ジェット機「オロン」1機で参加した。
イスラエルとカタールは、今、カタールゲートという、水面下のコネクションで問題になっているため、両国そろっての参加が注目された。
www.ynetnews.com/article/h1w75f0061g#autoplay
石のひとりごと
中東はいつ大戦争になってもおかしくないということは、これまでからも言われてきたことだが、今は、さらにその懸念が現実味を帯びているかもしれない。
イランが核兵器を保有する前に、イスラエルとアメリカが、その可能性を武力で叩いてしまう可能性が高まっている。もしそれを実行するとしたら、戦火はそこだけで止まるようにととりなしが必要である。