上記のように、国際刑事裁判所が、動き始めているが、スラエルとパレスチナ人との戦いは、まさにエンドレス。最近の動きは以下の通りである。
<西岸地区からPFLP(パレスチナ解放人民戦線)50人逮捕>
18日、シンベト(国内治安維持組織)が発表したところによると、イスラエル軍は、ここ数ヶ月の間に、西岸地区全体で、PFLPメンバー50人を逮捕するとともに、多数の銃や、武器、爆弾製造用具などを押収した。多数の危険なテロを未然に防いだとみられている。
一連の捜査は、今年8月、家族とハイキングに来ていたリナ・シナーブさん(17)が爆弾テロで死亡したことで始まった。捜査により、西岸地区でPFLPが本格的な多数のテロを計画していることがあきらかになったという。
リナさんは、死をもって、多くのイスラエル市民を救ったといえる。
www.timesofisrael.com/israel-arrests-50-pflp-members-in-crackdown-following-deadly-august-bombing/
<交渉は挫折?ガザからロケット弾再び>
イスラエルとハマスの交渉が行われているようではあるが、地上では、ガザとの紛争は終わる様子はない。19日木曜深夜2時半、スデロットと周辺地域は、ロケット弾のアラームで起こされ、シェルターへ駆け込んだ。幸い、迎撃ミサイルが発動し、今の所、被害の報告はない。
www.timesofisrael.com/rocket-fired-from-gaza-toward-israel-intercepted-by-iron-dome/
この前日、18日には、ガザから夜の闇にまぎれて、イスラエルへライフルを持って侵入しようとしたパレスチナ人1人の姿が、防犯カメラでキャッチされ、イスラエル空軍の攻撃で、後に脂肪が確認されていた。19日のロケット弾はこの件への反撃とも考えられる。
www.ynetnews.com/article/Hk1YxoIRr
ガザは上下水システムが崩壊し、電気も1日数時間と、もはや人間が住める場所ではなくなっていると言われていたが、カタールが大量の現金を搬入して、なんとか危機的状況からは脱出できたようである。
カタールが、イスラエルの合意のもとで、これまでにガザに搬入した金額は、11億ドル(約1300億円)にのぼる。ガザがなんとか落ち着いているのは、このカタールの資金によるものである。カタールはとりあえず、来年3月までは支援を続けると言っている。
<ガザにもいるパレスチナ人スタートアップの若者>
ガザは、ハマスがガザ支配するようになってから12年になるが、人々の生活は悪化を続けるばかりである。昨年、ガザの大学を卒業した若者(19−29歳)の失業率は80%を記録した。こうした中、テロに走る若者が絶えないのだが、そうではない若者もいた。
アル・ジャジーラが伝えたところによると、ガザで大学を卒業したタメル・アボ・モトラクさん(26)、ウサマ・カデイアさん(24)、カリッド・アボ・モトラクさん(24)は、オリーブ油抽出後に廃棄される廃棄物から、家庭用燃料玉を開発した。
通常、オリーブは、オイルを抽出後、約40%が廃棄される。西岸地区とガザで年間8万トンが廃棄物になる。モトラクさんらは、この廃棄物から、燃料玉を開発したのである。
この燃料玉は、通常の木であれば、4−5時間燃えて終わるところ、10時間は持つという。家庭用に使えば、64シェケル(約2000円)のガスの消費の代替になる。代替燃料になるとして成功を収めはじめている。
現在、1時間に1000キロを生産しているが、おいつかないほどだという。この成功がガザの若者の起業への夢の発端になればと注目されている。
アフガニスタンで、テロリストに銃殺された中村哲医師は、水と食事があれば、人々が戦いに行くことはないと言っていた。
イスラエルはガザの生活を改善することが、テロを防ぐ最大の手段と考えて、カタールの現金搬入を歓迎し、その他にも支援を惜しまない構えである。カタールの支援が尽きる前に交渉がすすみ、ハマスが、まともなガザ治世を受け入れてくれたらと思うが、どうだろうか。。
カタールはイラン側の国である。イスラエルは、そのカタールにガザの支援をさせているわけである。おそらく十分に計算してカタールを受け入れているとは思う。