第25回ミラノ・コルティナ冬季オリンピック開会式:イラン・イスラエル・サウジアラビア・UAEも参加 2026.2.7

A view of the Olympic opening ceremony at the 2026 Winter Olympics, in Milan, Italy, Friday, Feb. 6, 2026. (AP Photo/Francisco Seco)

ミラノ・コルティナ冬季オリンピック:イランもイスラエルも参加

2月6日(金)、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックが開幕した。92の国(ロシアとベラルーシは国としての代表参加なし)と地域から、約2900人の選手が出場し、22日までの間に8競技、116種目が行われる。

開会式は、史上初めて4か所に分かれて行われ、各地で選手団の行進が行われた。今戦争の危機にある中東からも、イラン、サウジアラビア、UAE、そしてイスラエルもそれぞれの国旗を掲げて、笑顔で登場していた。無論日本からも。

Mariia Seniuk, flag bearer of Israel,  February 6, 2026. (AP Photo/Francisco Seco)

イスラエルチームは、ミラノの本会場で選手団行進に参加したが、出るやいなや、ブーイングが飛んだが、まもなく大音響にかき消されていた。

ブーイングについては、アメリカ政府を代表して参加していたバンス副大統領もだった。アメリカ代表団が出た時に、バンス氏が画面に出ると、ブーイングが飛んでいた。

イタリアでは、反イスラエル機運が高まっており、オリンピックに先立ち、イスラエルが参加することに反対するデモが発生していた。

アメリカについては、アメリカ移民局治安部隊(ICE)が、アメリカの選手団の護衛に来ることがわかった際に、大規模な反対デモが発生していた。

アメリカでは、トランプ政権が、厳しい違法滞在者の取り締まりを強化しており、その混乱の中で、アメリカ市民2人が死亡したことが問題になっている。それがイタリアでも問題になっていたということである。

www.timesofisrael.com/israel-team-marches-to-smattering-of-boos-at-milan-winter-olympics-opening-ceremony/

イスラエルは、1972年のミュンヘンオリンピックの際、パレスチナ人テログループによって選手11人を殺害されている。今回も選手の護衛が、イスラエルからも手配されているとみられる。

この事件は、テロとは全く無関係のオリンピックの選手が、所属する国に反発する人々によって殺されたのだが、世界は犠牲者にも冷たい態度を続けている。

犠牲者家族たちは、オリンピックでこの事件を追悼するよう要求し続けているが、実行したのは、事件から49年後の2021年、東京オリンピックを開催した日本だけである。今回もその追悼はなかった。

www.timesofisrael.com/israel-team-marches-to-smattering-of-boos-at-milan-winter-olympics-opening-ceremony/

イスラエルの選手9人とパラリンピック1人

イスラエルを代表する選手は9人。パラリンピック1人となっている。

フィギアスケートのマリーア・セニウクさん(20)モスクワ生まれで8歳の時に家族とイスラエルへ移住した人である。オリンピック直前は、モスクワに戻って訓練した。

ボブスレーの6人のチーム。リーダーのAJエデルマンさん(34)、メナヘム・ヘンさん(25)、オメル・カッツさん(25)、ウリ・ジズマンさん(25)、ワード・ファワルシュさん(30)ファラルシュさんは、オリンピック出場する初のドルーズ族になる。

ボブスレーは、2人競技が2月16日と17日、4人競技が2月21日、22日となっている。(全員出ない可能性)

このほか、スキーで、バルナバス(27)とノア(23)・スゾロ兄弟、スケルトンでジェレッド・フィアストーンさん(35)、クロスカントリーでアティラ・ミハリー・ケルテスさん(37)

シェイナ・ヴァスピさん(24)が、アルペンスキーでパラリンピックに出場する。シェイナさんは、2022年の冬季オリンピックでイスラエル人としては、初めてパラリンピックに出場していた。

しかしその翌年の2023年11月、シェイナさんのいとこのアルノンさんが、ガザでハマスとの戦闘中に死亡した。このことがきっかけで、シェイナさんは練習に戻る決意をしたという。

www.timesofisrael.com/on-skis-sleds-and-skates-israels-winter-olympians-ready-to-give-their-all-in-italy/

石のひとりごと

一部だが開催式をテレビで見た。順番は忘れたが、イランの選手があの国旗とともに現れ、サウジアラビアのチームも、UAEもそれぞれの国旗を持って、登場していた。

イスラエルの国旗を掲げ、青いユニフォームで明るく笑顔のイスラエル人チームも同様に出てきた。戦争に直面する国々も、こうして、オリンピックに同じように参加している様子を見て、なんとも心が揺さぶられた。

その後、92か国の選手たちが、一緒に整列して、オリンピックの開催式に立っている様子に、創造主の前に、同じ人として立つ時のことを思わされた。

世界には実に様々な人々がおり、多様な社会、多様な状況、様々な立場や考え方がある。世界は、日本だけではない。私だけのものではない。この世界は実に、創造主である神、主のものだと改めて実感した。

またもう一つ思わされたことは、イスラエルという証国のことである。イスラエルは、今は、どういうわけか世界に嫌われている。しかし、最後の最後、人類が神の前に出る時には、その先頭にいるだろうと思った。

何度も繰り返すが、イスラエルが、素晴らしいとか信仰深いことが評価されるからではない。イスラエルという名は、聖書の神の名でもあり、その神を証するために選ばれた人だからである。

しかし、どう証しするかが問題なのである。イスラエルは、非常に多様で、人類のサンプルのような国である。まずは、人類がいかに、この全能の神の前に足りない罪人かを表す役割も担っていると思う。

しかし、それでも、絶対に見捨てられないことを表し続けているのがイスラエルなのである。人類のこの罪の闇から救う贖い主イエスは、イスラエルから来て、それから世界に啓示されていった。与えられる価値がないのに、与えられた救い。まさに恵み(Grace)を表しているといえる。

そうして話はそこで終わらず、イスラエルは、その後、いったん歴史から消えたのに戻って来ている。その後も度重なる中東戦争で、滅ぼされそうでも滅ぼされず、今に至っている。

このように、イスラエルは、自らの苦難を通じて、この聖書の神の深い恵みを証していると思う。選びの民として、実に大変な使命である。

しかし、この特別な苦難の使命のゆえに、神は、最後には、イスラエルにいる人々を、国を挙げて、悔い改めに導かれると書かれている。そして、キリスト教的理解になるが、この時に、イエスによる贖いを認めて、国を挙げて救われるのである。(ゼカリヤ書12)

最後の最後に、人類の代表としてよくがんばったとして、人類の先頭(つまり最も赦されたものとして)に立つのではないかと思うのである。

ちょっとぶっ飛び理解と言われそうだが、世界で今は嫌われ、ブーイングされるイスラエル代表団を見ながら、ふとこのみことばを思い出した。「このように、あとの者が先になり、先の者があとになるものです」(マタイ20:16)

世界がイスラエルを嫌う傾向にあるのは、結局のところ、罪に支配されているためであり、神がどういうお方かを表す存在だからだと思う。

今世界では迫害される立場のイスラエルだが、神の前にその存在は決して小さくはない。最後には、先になるだろう。そんな様子も想像した次第である。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。