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日曜夜、保健省は、新たな感染者は1437人で、実際に発症している有症者は、2万8000人を超えた。重症者は254人、このうち、人工呼吸器依存者が、1日で17人も増えて、70人に達したと報告した。この1ヶ月で、重症者は6倍になり、人工吸気依存者は3倍になった。
死者も、毎日2人以上増えており、最新データでは409人となった。
www.ynetnews.com/article/SJ00nX11GlP
医療崩壊を警告:看護師がスト
保健省は16日、検査2万8000件の中での陽性率は6%であると報告し、これを1%以下にしなければならないと報告した。
また、イスラエルで稼動できるICUは、500から1000床だが、すでに重症者が200人を超えている。前コロナ対策専門家会議アドバイザー、エリ・ワクスマン氏は、このままいくと、風邪やインフルエンザの季節が来た時に医療崩壊になると警告した。(病院の様子)
また医療スタッフの数にも限界がある。イスラエルでは、医療スタッフで感染が確認されたほとは、2866人。このうち、837人が看護師となっている。病院では、医療従事者用のN95マスクが、約束されていた14%、医療用ガウンは、27.5%しか届いていないとのこと。
看護師協会は、政府が、経済も含め、医療施設への十分な支援を行っていないとして、経済省がなんらかの対処をしない限り、20日(月)にストを決行すると発表した。
この経過の中、月曜朝、経済省との話がまとまらなかったとして、現在、看護師たちがストを開始している。具体的には、緊急性の低い患者の種々sつは延期。外来は、救急のみ。コロナ病棟と癌病棟は、コロナ検査場も変わりなく運営を継続する。
www.ynetnews.com/article/rkIZqjzlw
感染の主流は若者の家庭内感染
保健省の調査(5120人)によると、イスラエルの感染者の67%は家庭内感染であった。その次は、9.5%の学校。3番目は6.5%のイベントとなっている。その他では、宗教施設、職場、高齢者施設、医療機関、スポーツ、となっている。プールでの感染は、0.2%であった。
感染者の年齢は、もっとも多いのが、20−29歳(1万755人)、10−19歳(9152人、30−39歳(7020人)、40−49歳(6129人):7月18日データ
第二波においては、若年層の感染がほとんどであるため、重症になるのも若年層である。現時点での重症者の60歳以下の占める割合は、31.7%であった。(3月は21%)。
ヘブライ大学免疫学のエキスパート、リブカ・アブラフィア・ラピード博士によると、55歳以下の人が感染した場合、5−10%が重症化しているとのこと。
www.jpost.com/health-science/who-has-coronavirus-and-where-did-they-catch-it-635596
イスラエル軍の感染者
若者といえば、イスラエル軍だが、18日の報告で、801人の感染が確定している。これを受けて隔離におかれているのは、1万615人。ガザからのミサイルやヒズボラとのにらみ合いを考えると、兵士の間での感染拡大は、好ましいものではない。
しかし、イスラエル軍は、軽症者用のコロナ・ホテルの23棟の運営を担当している。このうち、12棟が、コロナ陽性者用で、11棟が、海外から帰国した、または移住した人用のコロナ・ホテルである。
軍が運営しているので、おもてなしではなく、シーツの交換などは、患者自身でするなどの最低サービスだが、現在入っている700−800人は、同じ感染者仲間の顔を見て、けっこう励まされているようである。
しかし、感染拡大が続いていることを受けて、ガンツ防衛相は、15地域のコロナ対策を支援するため、さらに兵力を提供するよう指示した。
イスラエルでは、コロナとの戦いに、あたりまえのように軍が活躍している。国民の命を奪うものと戦うのは、テロリストであれ、ウイルスであれ、イスラエル軍なのである。しかも、銃を使う優秀な兵士が、軽症者用ホテルの運営までやっている。軍の目的は戦争なのではなく、国民の命を守るの一点であり、そこにプライドなどはまったくないようである。
政府はまだ混乱
未曾有のコロナ感染拡大を受けて、政府も日夜会議を行っているが、感染予防に力を入れたら経済の方からバッシングを受け、経済に重きをおくと、感染予防が不十分と叩かれる。このため、指示が出たり入ったりと混乱を極めて、さらなら批判を招くの繰り返しになっている。
最後の海水浴になる?:ビーチにおしかける人々
政府は今週末、プチ・ロックダウンを実施したが、多くの反対で、テルアビブのビーチは今週末については閉鎖されなかった。しかし、今の所、21日(火)からは、ビーチも閉鎖になる予定であるため、この土曜日、大勢の人がテルアビブのビーチにおしかけ、”最後の”海水浴を楽しんだ。
人々の中には、週末だけなどというロックダウンに疑いの声があがっている。
www.timesofisrael.com/tens-of-thousands-at-beaches-parks-ahead-of-expected-lockdowns-on-weekends/
先週金曜、レストランは、政府の閉鎖するようにとの指示に反発し、店を閉じないと主張したため、最終的には、レストランの閉鎖は、21日(火)からとなった。しかし、レストランの多くは、「レストランを閉鎖することに、疫学的な根拠がない。」と主張し、21日(火)が来ても閉める気はないと表明している。
テルアビブにレストランを3軒出しているシェフのアサフ・ドクトーさんは、「政府がきちんとした数値的な説明を出さない限り、店は閉めない。」と言っている。
また、レストランのオーナーたちは、首相に、イスラエルの経済が崩壊し始めていると訴えるため、エルサレムの首相官邸前で、チャリティの食事を貧しい人々に配布する、”デモ”を計画しているという。
実際のところ、公衆衛生医学協会のハガイ・レビン氏は、この時点での週末ロックダウンは、家庭内感染の温床を生み出すことになり、逆に感染者を増やす可能性を指摘している。