異常気象など注目事項 2020.7.9

コロナ禍とイナゴ被害:インドとブラジル

イナゴが到達した地域
出展:BBC

アフリカから中東、インドに向かって拡大している砂漠ばったの被害だが、FAO(世界食糧機構)は、東アフリカの500万人が食糧危機に陥る可能性があると警鐘を鳴らしている。

インドでは、新型コロナの感染拡大がアメリカ、ブラジルに次いで3番目となっており、1日の感染者は2万5571人、死者は、491人となっている。そこへ、ばったの大群が来て、食糧を奪っていくことになるので、大変な災害になる可能性があるという。

6月末にはすでにイナゴの大群がインドに到達。植物を食い尽くしているので、やがて飢饉につながっていくと懸念されている。

イナゴの発生が頻回になっていることについて、気候変動と関係があると指摘されている。

<南米のイナゴ>

ブラジルは、ボルソナロ大統領が、コロナをただの風邪として、対策をとらなかったことから、今では、世界でもっとも死者を出している国となった。

昨日の時点で、新規感染者は、大統領自身を含む4万1541人。延数は、アメリカに次ぐ171万6196人。死者は、アメリカが890人であったところ、1187人とダントツである。

そのブラジルにも砂漠バッタの群れが向かっている。6月29日のBBCニュースによると、ばったの群れは、パラグアイで発生し、5月にはアルゼンチンへ入り、150キロ移動した。そのままブラジルに入ることが懸念されていた。

www.bbc.com/news/world-latin-america-53221211

*聖書的プロテイン?:イスラエルのスタートアップ社が、ばったまるまる入ったエナジーバーとして販売へ

この砂漠飛びバッタだが、聖書ではバプテスマのヨハネが食べていたバッタである。ばったは、優れたプロテインを豊富に含み、脂肪0、淡水活佛もほとんどないという優れた食糧になる。災害の懸念はあるが、イスラエル人が、逆に食糧にしてしまっているようである。

まもなくスタートアップのコーナーで紹介予定

シベリアで38度:北極圏で過去最高気温

出展:BBC

6月20日、北極圏に入るシベリアで、気温38度を記録した。平均気温より18度も高いことになる。BBCによると、北極では、世界平均の2倍で温暖化が進んでいるという。

北極圏での温度が上がると永久凍土が溶け出し、地下にあった二酸化炭素とメタンが放出され、さらに温暖化が進む。また、北極でも山火事が発生するが、今年は、通常なら7−8月に発生する山火事が4月下旬に発生し、前年同期の10倍の規模の山火事がはっせいしたとのこと。

また、永久凍土が溶け出すと、海面上昇にもつながっていく。

地球は、今、暖気が北上し、寒気が南下しているという。そのため、北極圏では、特に温暖化が進んでいるのだとのこと。地球全体のエネルギ^バランスが崩れはじめているとロンドン大学のクリス・ラプレイ博士は警鐘をならしている。

www.bbc.com/news/science-environment-53140069

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。