イランとイスラエルの攻防?:イスラエルの水道システムへのサイバー攻撃再び 2020.7.18

Kan Israel News スクリーンショット

世界的な新型コロナ・パンデミックの水面下で、イランとイスラエルの対立が、かなり激しく行なわれていることはお伝えしている通り。

どの事件も、表立って明確にイスラエルかイランによるものと確定はできないのだが、サイバー攻撃の応酬、シリア内部にとどまらず、イラン国内、しかも首都テヘラン近郊の核施設への火災、爆破と続いており、イランを攻撃しているのが、イスラエルの可能性は高い。

こうした中、15日、イラン南部の造船所も併設するブシェール港で、大規模な火災があり、木造帆船7隻が破損した。注目される点は、この港が、イランで唯一の原子力発電所から20キロしか離れていないという点である。

<イスラエル国内水道システム:サイバー攻撃再び>

いつとは確定されていないが、最近、北部ガリラヤ地方の水道施設へのサイバー攻撃があり、一時農業用ポンプが停止した。すぐに対処できたので、被害はなし。イスラエルの水道システムへのサイバー攻撃は、この4月にもあやうく塩素が飲料水に混じるという深刻な事態になって以来、2回目である。

この攻撃は、6月初頭に欧米系イギリスの諜報から、また飲み水に塩素が混じるような攻撃の可能性を予告する情報が入っていたという。イランは、政治的にもそのようなことをする余裕はないと、これを否定している。

www.timesofisrael.com/cyber-attacks-again-hit-israels-water-system-shutting-agricultural-pumps/

<窮地?イラン情勢>

1)イラン国内で経済政策に反対するデモ再発

イランでは、14日、昨年11月、ガソリンの価格が高騰した際のデモで逮捕した3人を死刑にすると発表した。この3人については、SNSで大勢が、「死刑にするな」と言い続けていた件であった。これに関係するかどうかは不明だが、この発表の後の16日、イラン南部の町ブーバハンで、厳しい経済情勢を訴えるデモが発生した。

群衆は、「イラン人は、ガザのためでなく、ヒズボラのためでなく、イランのために死ぬ。」とのスローガンを叫んでおり、反体制的なデモでもあったとみられる。イランの警察はこれを催涙弾や実弾で、解散させた上、国内のインターネットを3日間停止した。

www.bbc.com/news/world-middle-east-53417228

この一連の衝突でイラン人300人が死亡したとも伝えられている。またイラン革命軍は、反乱分子を多数逮捕したもよう。

2)イランのコロナ情勢

イランも新型コロナの第二波にあるといわれている。新たな感染者数は、2000人台だが、死者が毎日200人近くが死亡している。ロイターは、イランが医療崩壊に落ちいていると報じている。

jp.reuters.com/article/health-coronavirus-iran-idJPKCN24I016

<石のひとりごと>

イランは相変わらず、イスラエルに向けた牙を隠していない。以前にも書いたが、歴史をみると、どういうわけか、イスラエルに牙をむく国は苦難に陥っていく。イスラエルが特別に良い国というわけではない。イスラエルも今、大変な苦難の道を通っている。

私たちには、わからないことだらけだが、すべては、神の主権の中で発生していることを思えば、イランもすべての世界諸国も、イスラエルもまた神の前にへりくだらなければならない時が来ているのだろう。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。