
10月13日(月)、ガザでの戦争が”終わった”とするトランプ大統領の呼びかけを受けて、世界から30カ国もの首脳たちが列席する国際平和サミットが、エジプトのシャルム・エル・シェイクで行われた。
サミットは、トランプ大統領と、エジプトのシシ大統領の主導で行われ、トルコのエルドアン大統領、カタールのアル・サニ首相など交渉にあたった国だけでなく、イギリスのスターマー首相、カナダのカーニー首相、また、フランスのマクロン大統領など欧米諸国首脳、グテーレス国連総長も出席するというまさに首脳陣が集まるサミットであった。パレスチナ自治政府のアッバス議長も招かれて出席していた。
しかし、肝心の当事者といえる、ハマス代表はおらず、ネタニヤフ首相も、この日は、イスラエルにおけるシムハット・トーラーだとして、直前になって出席を辞退していた。
このサミットでは、諸国首脳たちが、ガザでの戦争が終わったことを確認するとともに、交渉にあたったトランプ大統領と、エジプト、カタール、トルコの4人の首脳たちが、「ガザ地区における包括的、永続的な平和協定における進展と、イスラエルとその周囲の国々との友好的で有益な関係を歓迎する」「将来の平和のためにも共に働いていく」ことで合意したとの文書に署名した。
トランプ大統領によると、詳細なルールや考え方に合意したとのことだが、その詳細は不明である。
実際のところ、これから、ガザは誰がどのように統治していくのか。先行きはまだ全く見えていない。
それ以前に、ハマスは本当に武装解除できるのかだが、これについては、ハマスが今ガザ内部で、反ハマス勢力を、公に処刑するなどして殺害しており、非武装化する気はないとの見方が広がっている。
その後、このサミットに関するニュースは、すでに話題にもならなくなっている。
www.nytimes.com/2025/10/13/world/middleeast/summit-document-details.html
石のひとりごと
集まるメンバーがすごいので、どんなサミットになるのかと思ったが、ちょっと拍子抜けの感じだった。
しかし、アメリカとエジプトが主導する会議に、サウジアラビアを含む中東湾岸アラブ諸国と、ヨーロッパ諸国首脳が、一同に介して集まったことに意義があったかもしれない。
このサミットに、イラン、中国、ロシア、北朝鮮は入っていなかった。徐々に、世界の分断のグループ分けが見えはじめる一つの出来事であった。
なお、日本からは、在エジプト大使の岩井文男氏が出席していた。
