8日、エルサレム統一を記念するエルサレム・デーが行われた。町中、人だらけの大混雑である。もしここで爆弾テロがおこったら、数百人規模の犠牲が出るだろう。しかし、だれも爆弾テロなど考えてもいない。エルサレムは実に平和にやっているというところ。
このフェスティバルを一言で言うとしたら、ユース・ムーブメントである。混雑は90%が10代から20代前半の若者で混雑しているのである。
数はわからないが、数千人以上のティーンエイジャーたちがイスラエルの旗を持ち、同じシオニズムのTシャツを着て、時々輪になってダンスしながらパレードする。家族連れなども一緒に歩いていたが、圧倒的に高校生たちである。
全員ユダヤ教徒なので、パレードも男女に分かれている。男子も女子も、それぞれ文字通り大騒ぎで、エルサレムにいることの喜びを全身で現していた。
この若者たちが皆、宗教シオニスト(神がユダヤ人をエルサレムに連れ戻されたという考え)であることに圧倒された。
宗教シオニストは、敬虔なユダヤ教徒だが、ただ祈って何もしない正統派と異なり、神に祈りながら、銃を持って戦い、積極的に国の建設をすすめる人々である。
宗教シオニストにこれほど若者がいるなら将来、終末時代にも反キリストに従わない、ダニエルのようなユダヤ人が、エルサレムに残されている様子が目にみえるようであった。
<扉をとざすパレスチナ人>
問題は、宗教シオニズムの若者たちが年々、過激になっているということ。パレードは最終的には旧市街の嘆きの壁にまで至るのだが、その途中、若者たちがアラブ人に対する侮蔑の言葉を言ったりするのである。
衝突を避けて治安部隊は、アラブ人たちに、パレードが旧市街に到着する6時ぐらいまでには店を閉じるよう指示した。今年は旧市街の警備が堅く、あちこちで警備隊が通行を止めており、昨年とちがって、とうとう記者は嘆きの壁にまで至ることができなかった。