東京オリンピック・パラリンピックに参加する選手団が、東京に向けて出発するにあたり、23日、大統領官邸で、出発式が行われた。
今回派遣する選手は80人以上で、史上最大となる。種目はサーフィン、陸上、野球、体操、柔道などとなっている。
リブリン大統領は、選手たちが、オリンピックが延期になる中、あきらめずに訓練を積んできたことを賞賛。イスラエルを代表して国際社会に出ていくとして、選手団を祝福した。
<期待されるイスラエル選手たち>
今年は、リズム体操のリノイ・アシュラムさんが、6月9-13日に行われたヨーロッパでのチャンピオンシップで、ロシアとベラルーシの選手を破って金メダルを獲得している。東京オリンピックでの活躍も期待されている。
また、野球チームは、2020年9月に行われたヨーロッパ・アフリカ・トーナメントで、上位6位に入り、東京オリンピックへの出場権を獲得した。金メダルの可能性もあるとされる。野球チームはアメリカで最終トレーニングを行ってから東京へ向かう予定とのこと。
以下は、アメリカでトレーニングしているチームの様子。5月にイスラエルがガザと戦闘になっていた時は、シェルターにいる家族を思いながら、トレーニングしていたと話している。
柔道では、グランドスラムなど多数の世界大会で好成績をあげているサギ・ムキ選手も参加する。
サギ・ムキ選手は、2019年の東京での柔道国際大会の決勝戦で、歴代オリンピックでも知られたイラン人のサイード・モラエイ選手と対戦するみこみとなった。
この時、イラン政府は、モラエイ選手が、イスラエル人のムキ選手と対戦することを避けるため、準決勝でわざと負けるよう、モラエイ選手に指示したのであった。
これに同意できなかったモラエイ選手は、イラン政府からこのような指示があったと表明した。これにより、帰国すれば身に危険がことが必至となったため、帰国しないでドイツへ移動。その後、モンゴルで、市民権を獲得している。
ムキ選手とモラエイ選手は、2020年のパリ・グランドスラムで、直接の対面を果たした。このとき、ムキ選手が、「一生の友を得た」と写真と共にフェイスブックに投稿して話題となった。
www.timesofisrael.com/israeli-judoka-makes-friend-for-life-with-iran-champ-who-fled-country/
<イスラエル選手団のホストタウン:岐阜県八百津町>
東京オリンピックでのイスラエル選手団のホストタウンは、岐阜県八百津町である。
八百津町は、ホロコースト時代、ナチスから逃げようとしていた6000人のユダヤ難民に、日本への通過ビザ、いわゆる命のビザを発行した杉原千畝の出身地として知られる町である。
八百津町からは、イスラエルチームに歓迎のビデオクリップを送ったり、子供たちが歓迎の絵を描いたりして、準備が進められている。
また、4月3日には、聖火リレーが八百津町にやってきたが、聖火ランナーは、こちらも杉原千畝に関連する、リトアニアのバルブオリス大使であった。
なお、イスラエルは、世界に先がけて今年1月、国民への接種がまだ終わっていない中で、オリンピック選手へのワクチン接種を優行して行い、ニュースになっていた。
host-town.jp/activity/view/416
<石のひとりごと>
オリンピックがいよいよ始まろうとしている。海外からのチームが続々と到着し始めている。
選手団、関係者、東京都民やホストタウン、大会ボランティアなど、皆がコロナから守られ、本当に菅首相の言葉通り、人類がコロナに打ち勝った印となるように、とりなしていこう。