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イスラエル人4000人国外へ脱出:1人誤射で死亡・1人拘束
戦争が勃発したとき、ウクライナにはまだ8000人のイスラエル人がいたと伝えられていた。外務省によると、2日現在、このうちの4000人が、ウクライナ国外に出ているとのこと。4000人は、ポーランド、ルーマニアからの出発し、1日、1日、ベングリオン空港に到着した。(人数は不明)
帰国した人々は、落ち着けばウクライナに戻ると語っている。
しかし、うまく逃げられた人だけではない。1日、イスラエル人のローマン・ブロドスキーさん(37)が、キエフから脱出する車列に加わって、モルドバへ移動中、検問書で、チェチェンのロシア武装勢力と間違われて、ウクライナ軍に射殺された。
ブロツキーさんは13歳で家族と共にウクライナからイスラエルへ移住したユダヤ人。イスラエルで結婚して2人の子供の父となった後、2年前にウクライナに戻って、キエフでビジネスを立ち上げていた。ウクライナでの紛争で、最初のイスラエル人犠牲者となった。イスラエルにいるブロドスキーさんの両親は、プーチン大統領に怒りを訴えている。
www.timesofisrael.com/israeli-man-shot-dead-as-convoy-escaping-kyiv-comes-under-ukrainian-fire/
またチャンネル24によると、ウクライナ船籍の船に乗っていたユリ・シビツキーさん(51)が、船がロシア海軍に拿捕され、身柄をロシア軍に拘束されていることがわかった。外務省も確認しているとのこと。
国境超えた難民67万人以上:モルドバ国境でイスラエルの支援隊活躍中
ウクライナから脱出した難民は、UNHCRによると、すでに67万人を超えたととのこと。このうち半数はポーランドにいる。そのほかでは、ハンガリーに9万人、モルドバに6万人、スロバキアに5万人、ルーマニアに4万人となっている。すぐに100万人に達するとみられている。
www3.nhk.or.jp/news/html/20220301/k10013508721000.html
イスラエルのユナイテッドハツァラは、ウクライナ危機において、世界で最初に派遣された医療救援隊で、現在、モルドバとウクライナの国境で医療活動を開始している。報告によると、男性がウクライナから出られなくなっているので、ほどんとが、子供連れの女性、高齢者だという。
寒さと食糧も不十分な中、歩いて国境を超えてくるとのこと。
イスラエルは、ウクライナへの空輸による人道支援も開始している。
3月2日時点ウクライナ情勢まとめ
1)戦闘激化の見通し
ロシアのウクライナ侵攻は、24日に始まってから6日目に入った。28日には両者の停戦交渉も行われたが、予想通り、結果は出なかった。そればかりか、ゼレンスキー大統領は、その後、EU加盟申請に署名する様子を発表。ロシアの言い分にまっこうから反対する様子をみせている。
その後、ロシア軍は、ウクライナの予想外の反撃(ウクライナによると死亡したロシア軍兵士は3500人)を受けながらも、キエフ、ハリコフなどこれまで以上の攻撃を開始。情報によると、ロシアは、ウクライナを包囲していた全軍の75%が、侵攻を開始している。市街戦も激しくなり、民間人の犠牲も増えつつある。
ハリコフでは、パラシュート部隊が、カリコフに投じられたとのことで、戦闘がますます本格的になる見通しになってきた。
キエフでもハリコフにもまだハバッド派ラビたちが、現地に滞在している。ハバッド派は、世界中でユダヤ人をケアすると知られているので、ユダヤ人たちは、困っているユダヤ人たちが集まる拠点となっている。
神戸のラビ・シュムリックさんの兄、ラビ・イエフォシュア・ヴィシェツキーさんは、キエフで、コシェル認証担当で滞在していたが、今は、できるだけ多くのユダヤ人をキエフから退避させるため、バスを手配するなどしているとのこと。しかし、退避ができない人がいる限り、ラビたちは退避しないとのこと。
キエフ、ハリコフなど、激戦下には、教会とともに、このようなシナゴーグもあることを覚えてとりなしを。
www.timesofisrael.com/after-departing-ukraine-kyiv-rabbi-says-hes-working-to-help-those-left-behind/
3)世界を巻き込む流れ:ウクライナが志願兵参戦求める
国連安保理は、ロシアが拒否権を行使して非難決議を出せなかったため、昨日から、緊急国連総会が行われており、本日3日には、ロシアの避難決議が出される見通し。世界は、一斉にプーチン大統領への非難の声を発しており、プーチン大統領は、孤立を極めているといえる。
ビジネスでは、SWIFTからの削除から、これまでに発表されているエネルギー関係以外にも、アップル、ナイキ、フォード、BMWなどが、ロシアとのビジネス停止を表明している。
気になるのは、ウクライナが、世界中からの志願兵を招集している点。ゼレンスキー大統領がこれを呼びかけたのは先月27日。テルアビブでも一瞬ネットに上がったが、すぐ削除された。ロシアに敵対したくないイスラエルとしては、好ましくない動きと思われる。日本でも70人がこれに応じ、ウクライナ大使館に問い合わせてきたという。このうち50人は元自衛隊員。無論、外務省はこれを歓迎していない。
www.jpost.com/international/article-698783
www.asahi.com/articles/ASQ31736KQ31UTIL018.html
4)ウクライナが中国に仲介を依頼
こうした中、1日、ウクライナのクレバ外相が、中国の外相に電話をかけ、ロシアとの仲介を依頼した。中国はロシアとイデオロギーが近く専制主義国で、今となっては、ロシアの唯一の味方(候補)であるかもしれないからである。
しかし、ロシアがここまで孤立してしまうと、ロシアの側に立つことは、中国にとっても不利になるので、返答に困っているとみられている。
www.reuters.com/world/ukraine-asks-china-make-russia-stop-war-foreign-ministry-2022-03-01/