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日本でも新学期がはじまっているが、イスラエルでも9月1日、幼稚園から高校生までの220万人の子供たちが、新学期を迎えた。このうち159万人が新一年生。(イスラエルでは、欧米と同様、9月が年度はじめになる)
人口852万人で、220万人が小中高生ということだが、イスラエルは全人口の28%が14才以下と日本とは逆の社会構造なのである。
9月1日、リブリン大統領は、キリアット・ビアリクの学校へ、ネタニヤフ首相は、ベネット教育相とともに、北部アラブ系市民の町タムラの小学校はじめ、ナザレ周辺の、どちらかというとイスラエルには反発する傾向にあるアラブ系の学校数件を訪問した。
ネタニヤフ首相は、生徒たちに、「よく勉強しなさい。”ヘブル語”、アラビア語、英語を学び、数学、科学、歴史、特に”君たちの歴史でもある”ユダヤ人の歴史、真実を学んで、ともに住むことを学んでほしい。」と語った。
www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/217265
<イスラエルの子供たち:学校の成績は中の下!?>
ユダヤ人というと頭がいいというイメージがあるが、学校の勉強におけるイスラエルの子供たちの平均的な成績は、先進国OECD(経済協力開発機構)の中では、中の下で、日本よりかなり下である。
OECDが行うPISA(15才の時点での学習到達度調査・読む力、数学、科学)の最新の結果(テストは2012に実施)によると、イスラエルは、70カ国中、リーディングが34位。数学は40位に入っていないため不明。
ちなみに日本はリーディングが4位。数学は7位。1位はどちらも中国となっている。
www.bbc.com/news/business-26249042
しかし、イスラエルは、新しいアイディアで次々に開発、発明をして起業し、ノーベル賞の受賞数も世界一の国である。いったいどういうわけか?
順位を下げている理由は、アラブ系などの子供たちとの格差が指摘される一方、ユダヤ人でも天才は極一握りなのであって、全体的に見れば、やはり、イスラエルの教育システムにも課題があると指摘されている。
課題の一つに、イスラエルの学校は、夏休みが長く、例祭休日も多いなど、OECD諸国より授業時間数が少ないことがあげられている。
学校で与えられるものが少ないので、生徒は与えられたものを土台に自分で積み上げて行かなければならない。与えられるものをやっているだけでは足りないのである。
そのため、能力のある子はどこまでも伸びる余地があるといえるが、自ら切り開く力がなかったり、なんらかの理由で、学校から落ちこぼれてしまうと、そこから立ち返ることが難しくなってしまい、格差となってしまう。
対策が十分とはいえないが、落ちこぼれてしまった子供たちのために、軍隊で特別なプログラムが行われたり、個別に寄り添ってコーチングできる大学生を家庭に派遣したりしている。
<石のひとりごと:教育における不公平>
ネタニヤフ首相は、上記のように、勉強することを奨励しているのだが、同じイスラエルに住んでいても、超正統派の子供たちは、本人の意思に関係なく、一般教育を受ける事ができない。国は介入しないことを決めている。
また新入学で、世界各国で喜びのときを迎えている中、シリア難民の子供たち250万人は、まったく学校教育を受けられない状態に置かれている。内戦が始まってから5年の間に生まれた子供たちは国籍もなく、教育どころか人間扱いされていない。
ビル・ゲイツが、学校で教わらない11か条の中の第一点に「人生は不公平だと知りなさい。」とあげ、今、学べる機会が与えられていることを、あたりまえだと思わないようにと教えたことを思い出した。
www.linkedin.com/pulse/20141117063409-121656426-bill-gates-11-rules-you-will-never-learn-in-school
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