イスラエル空軍は4日、3月に予定されていた、”Juniper Cobra”と呼ばれる欧州駐留の米軍(EUCOM)との大規模な共同航空防衛訓練を中止すると発表した。
これはイスラエルの保健相が、新型コロナの水際作戦として、ドイツなど、EU諸国からの入国者に隔離を義務付けたために、現在、欧州に駐留している米軍兵士たちが、イスラエルに入国できなくなったためである。
”Juniper Kobra”は、パトリオットなど迎撃ミサイルに関する10日間の航空防衛訓練で、2年に一回、イスラエル軍と米軍の兵士数千人が参加して行われるもので、イスラエル軍にとっては最大の国際共同軍事訓練の一つである。
今年も3500人の参加が予定されていたが、600人はドイツに、1600人はアメリカやその他のEU諸国の駐留先からイスラエルへ来る予定であった。
なお、これに先立ち、イスラエル陸軍も、イタリアで新型コロナが猛威をふるっていることから、そこに駐留するアメリカ軍パラシュート部隊との共同訓練をキャンセルしてしていた。
今週、イスラエル軍のアビブ・コハビ参謀総長が、アメリカを訪問する予定であったが、保健相が、イスラエル人の不急の海外旅行をキャンセルするよう指示したことを受けて、これもキャンセルされた。
<その他の防衛活動は影響なし>
国際訓練がキャンセルされても、通常の防衛活動に変わりはない。
イスラエル軍は、5日早朝、昨年8月に17歳のリナ・シュナーブさんを殺害したテロリスト2人のうちの一人で、ヤシン・マジャマの西岸地区ラマラ近郊の自宅をブルドーザーで破壊した。
この間、パレスチナ人との衝突があったが、負傷者を出すことなく、これを鎮圧したとのこと。
www.timesofisrael.com/idf-troops-demolishing-home-of-suspected-killer-of-rina-shnerb-report/
また、シリアの国営放送によると、5日深夜過ぎ、イスラエルの戦闘機がゴラン高原を超えて、シリア南部ホムス付近へミサイル攻撃してきたので、これに迎撃ミサイルで対処したと伝えた。特に被害状況の報道はない。
イスラエルは、今回もノーコメントだが、これまでにシリア領内でイランが関係しているとみられる軍事拠点への攻撃は、数え切れないほどになっている。いくら新型コロナさわぎであわてていても、イスラエルの防衛にぬかりはなさそうである。
www.timesofisrael.com/damascus-says-israeli-airstrikes-target-bases-near-homs-southern-syria/