イスラエルの周囲にいる敵は、ガザ、レバノンにおり、その戦いは全方向で激化している。特にレバノンへの攻撃は、ほぼ毎日規模になっている。しかし、西岸地区でも状況は険しい。
西岸地区でもハマスやイスラム聖戦などのパレスチナ過激派グループがおり、パレスチナ自治政府が、管理できていないので、イスラエル軍が、それらの摘発を続けている。

こうした中、西岸地区では、セトラーと呼ばれる過激右派ユダヤ人グループによるパレスチナ人居住地への放火などの襲撃事件が多数、発生している。
今年に入ってからだけで、放火事件は11件。襲撃先は、イスラムだけでなく、クリスチャンの村も含まれている。
イスラエル軍とシンベトによると、昨年中の入植者によるパレスチナ人居住地などへの襲撃は、前年から27%増加していた。この傾向は2023年10月7日のハマスの襲撃以来のことである。
入植者たちは、聖書によると、ヘブロン、ベテルやシロなど、聖書の地名もある西岸地区は、神がユダヤ人に与えたものだと考えている。
第三神殿への野望もあり、最近では、そこでは禁止となっているユダヤ教の祈りの紙を持ち込んで、昼間から堂々と祈るなど、大胆な行動にも出ている。
しかし、これらの過激入植者たちが、逮捕、拘束されることはほとんどない。されてもすぐに釈放されている。
この人々が大胆になっている背景には、10月7日のハマスの襲撃で、危機感を持ったこと。また、現政権に、警察を管轄する過激右派のベン・グヴィル安全保障相、強硬右派で、宗教シオニストのスモトリッチ財務相など過激右派政治家がいることが要因の一つと考えられている。
この流れの中、2月8日(日)、イスラエルのカッツ国防相と、スモトリッチ財務相が、閣議決定として、西岸地区全域での土地登記、不動産獲得手続きを大規模に変更したと発表した。これにより、ユダヤ人が、西岸地区の土地を、法的に確保しやすくなる。
加えて、この声明では、水問題や、重要な考古学遺跡への損傷、地域への環境汚染問題に関わる場合は、A地区(パレスチナ自治政府管轄)、B地区(自治政府とイスラエル両者管轄)へも監督と介入もできると明記していた。
過激な入植者たちは、これらの措置を事実上の併合だとして称賛している。
一方、パレスチナ自治政府は、これに反発し、国連とアメリカに介入を求めた。一方、ハマスは、西岸地区とエルサレムにおける紛争のエスカレートと、アラブ諸国に対して、イスラエルとの関係を断絶するよう、呼びかけた。
今後、衝突がさらに激化する可能性が懸念される。
