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最後の女性兵士アガム・バーカーさん(20)解放:ジャバリヤから
1月30日(木)朝、ハマスに捉えられていたアガム・バーカーさん(20)と5人のタイ人労働者、イスラム聖戦に捉えられていた、アルベル・ヤフードさん(29)とガディ・モシェ・モーゼスさん(80)が解放された。
女性兵士のアガム・バーカーさん(20)1人は、ジャバリヤで、先の女性兵士4人のように、大勢のハマスに囲まれてパレードの後、ステージに立たされ、その後、赤十字に引き渡された。
アガムさんは、女性兵士として拉致された7人のうちの一人であった。1人はイスラエル軍が奪回し、1人は遺体で発見。4人は先週、解放されていた。
リリ・アルバクさんは、アガムさんが1人残されると知って、ハマスに自分も解放しないよう、訴えたという。しかし、着替えだと言われて連れて行かれ、解放となっていた。
4人は共に、アガムさんの解放を待って、解放される様子に喜びを共有していた。アガムさんの解放で、女性兵士は全員、ガザから出たことになる。
テルアビブの人質広場でも、スクリーンを見ていた数百人が、大騒ぎの喜びであった。
民間イスラエル人2人とタイ人2人の解放:カン・ユニスから
イスラエル民間人のアルベル・ヤフードさん(29)とガディ・モシェ・モーゼスさん(80)、タイ人5人の解放は、上記アガムさんとは別に、ガザ南部カン・ユニスの、シンワルが殺された建物の前で行われた。
人質たちは、大勢の武装したハマスに加え、詰めかけた大群衆で、将棋倒しにもなりそうな、無秩序、カオスの中、危険きわまりない状況で、赤十字の車両まで歩かされていた。
この危険な様子から、ネタニヤフ首相は、午後のパレスチナ囚人の釈放を遅らせ、危険すぎる解放にクレームをつけ、人質解放の際の安全保障を約束するまで釈放しないと要求した。後にハマスが合意したため、パレスチナ囚人の釈放も行われた形である。
その後、イスラエル人2人は、イスラエル軍の施設で家族たちに迎えられ、感動の再会を果たした。アルベルさんとガディさんは、どちらもキブツ・ニール・オズの住民である。
アルベルさんと一緒に拉致されたパートナーのアリエル・クニオさんは、まだガザにいる。
ガディさんと一緒にいたパートナーのエフラト・カッツさんは、戦闘中のイスラエル軍の攻撃で死亡。
エフラトさんの娘と孫2人は拉致されたが、この3人は、2023年11月に釈放されていた。
ガディさんは、80歳と高齢であり、パートナーを失ったが、解放された今は、キブツをまた再建すると力強く宣言している。
タイ人5人は、タイの駐イスラエル大使など、タイ当局者に迎えられた。解放されたタイ人5人は以下の人々である。イスラエルでの労働に来ていた人であった。
サティアン・スワンナカムさん(34歳)、ポンサック・テナさん(35歳)、バンナワット・シータオさん(27歳)、ワタラ・スリアウンさん(32歳)、スラサク・ラムナウさん(30歳)
タイでは、息子たちの解放を見守っていた母親や家族が、涙を流して喜んでいた。
イスラエルの病院では、タイ軍の軍医がケアにあたっているとのこと。病院前では、イスラエル人たちが、イスラエルとタイの旗を掲げて5人を迎えていた。
タイ政府は、イスラエルと全ての関係者に感謝を表明し、まだガザに残っている人質の解放を訴えた。
www.ynetnews.com/article/skhxjmyuyl
以下はハマスのプロパガンダ映像。人質たちはアラビア語を話すようになっているとのこと。
人質解放時のカオスが示すガザに深く根付いている憎しみ/アミハイ・アタリ氏(Ynet)
アミハイ・アタリ氏(Ynet news)は、ハン・ユニスでの人質解放時のカオスを見て、改めて、ガザに根付く深い憎しみを思わされたと書いている。
アタリ氏は、予備役兵として何ヶ月もガザで従軍する中、ガザ市民自身の言葉から、かれらのメンタリティや社会観を学んだという。それは、10月7日からもわかることで、とにかくチャンスがあれば、ユダヤ人を殺すというメンタリティである。
(photo credit: Ramadan Abed/Reuters)
アタリ氏は、それを、カオスの中を歩くアルベルさんを見下ろして「アラー・アクバル」と叫ぶ群衆を見て思い出したという。
群衆は、パレスチナ囚人が解放されたことを喜んでいるのではなく、ただユダヤ人を見てそう叫んでいたのである。
アタリ氏は、この人々の中にある、根深い憎しみは、土地や資源をめぐる争いからくるのではなく、宗教戦争であるということが、厳しい現実だと指摘する。
ガザの人々にとって、ユダヤ人との戦いは、宗教上の善悪の戦いであり、それ以外の考え方は存在し得ないということである。
これはイスラム創始者ムハンマドの時代から、ハマスのモハンマド・デイフまで全く変わらない、世代を通して続いている純粋な憎悪だとアタリ氏。
ガザのパレスチナ人にとっては、結局のところ、領土の再建ではなく、イスラム以外のユダヤ人を殺し、なきものにするということが、目的として残るということである。世界は理解しないが、これを理解するイスラエルにとっての解決策は、今はただ勝ち続けるしかないとアタリ氏。
また、かつての「非ナチ化」ではなく、ガザでの「非ジハード化」が必要だと、アタリ氏は書いている。時代が進んで、将来、ガザの人々が自らの手でガザを治める日が来るとすれば、それは、その前に彼らが根底から、完全に大変革した後になるということである。
その時まで、イスラエルは(ガザにおける)主権を維持し続けないといけない。そうでないと、ここで生き残ることはできないだろう。アタリ氏はこう締めくくっている。
www.ynetnews.com/article/b1sgsxku1l
石のひとりごと
アタリ氏が言われていることは、おそらく、イスラエル人、またそこに住んで、実際にガザの人々に会ったことがある人だからこそわかることなのだろう。しかし、群衆の中で押しつぶされそうなアルベルさんの恐怖に満ちた表情からも、これこそが現実なのだと思わされた。
イスラエルは、世界に何を言われてもサバイバルする。その決意である。
この中で、キリストにつながる者として言えることは、ガザの市民、またハマス戦闘員すらも皆、主が創造された人間なのに、サタンに完全に支配されている状況にあるということである。
その人々が、異常事態に目が開かれ、悪い憎しみから解放されること。その方向からも天地を支配する主に祈り、取りなしていくことができると考える。