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ガザの飢餓について、イスラエルへの非難が高まる中、この1年半の間、ガザ内部で活躍していたという、イスラエルのNGO支援団体がその事実を公にし始めた。
ガザで支援活動を行ってきたイスラエルの人道支援団体
Times of Israelによると、この1年半の間、イスラエルのNGO人道支援団体IsraAID、SmartAIDなどは、静かにガザ内部で活動していたという。
IsraAIDは、世界の災害や戦時下での人道支援活
動をするNGO団体である。
IsraAIDは、2001年に発足して以来、世界の戦地や災害地、ウガンダからウクライナも含む60カ国以上で、医療活動や、水供給、心理社会的支援を行なっている。
イスラエルで発足したNGOだが、現在、全世界で働いているスタッフ300人は、それぞれの現地人である。それぞれの地のニーズは現地人が最もよく理解しているからである。
10月7日にガザとの戦争が勃発すると、IsraAIDは、まず、ガザ国境で被災した地域への支援を開始した。発足以来、国内で活動するのは始めてだったという。これまでにキブツ・べエリでは、小学校を発足させ、スタッフを北部コミュニティで訓練して、ガザ国境避難民の帰還を支援している。
ガザでの活動は、当初はさすがに参入を避けていたが、2024年3月、当時ガザで活動していた国際支援組織から支援を要求された。この国際団体は、イスラエル政府やCOGATとの調整に手を焼いており、IsraAIDにその調整を以来してきたのである。
IsraAIDは、その名前を出さずに、仲介者的な立場でガザでの活動に携わるようになった。しかし、その数ヶ月後には、ガザへの医薬品供給、トラック調整や、倉庫の設立、医療と水の供給と、活動が拡大していった。

また、イスラエル人以外の外科医30人を連れてきた他、テントや、食糧、水など19万人に配布したとのこと。今も淡水化技術を通じて、7000人に水を供給している。
ガザでの働きは、国際団体の支援という枠内で行っており、IsraAIDという名前は出していない。どのプロジェクトに関わる場合でも、この名前は絶対に開示しなかった。
ガザ避難民たちの多くは、その支援が、イスラエル関係であることを知らないとのこと。
しかし、共に働くガザのスタッフは、それを知っている人もいるが、イスラエル関係だからと反発する人はいないという。
こうした動きをしたのは、IsraAIDだけでなく、やはりイスラエル人によるSmartAIDも同様の動きをしていた。
Smart AIDは、2024年12月、国際機関との協力を依頼されていた。その際、イスラエル政府、イスラエル軍、海外のユダヤ人コミュニティにも相談したが、同意を得たことから活動を開始した。

ガザ南部ラファに6つの避難民キャンプ場を設立し、3万5000人が住んでいる。Smart AIDはこれまでにこの避難地域に850トンの人道支援物資を配布したとのこと。
IsraAIDやSmartAIDは、国連が支援する人道支援の枠内で働きをすすめているため、今年5月に発足した、アメリカとイスラエルが関与するGHFとは無関係に動いている。
しかし、両NGOは、GHFとの協力も視野に入れていると言っている。
ポリザー氏は、ガザの人道状況は悲惨すぎており、イスラエルと私たちのようなNGO(安全保障と人道状況どちらのニーズをも理解している)に、ガザでの支援活動任せるべきだと語っている。
ガザ国境住民・世界のユダヤ人も同意・支援
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IsraAIDのCEOポリザー氏によると、ガザでの活動を開始することについて、最初に被災したガザ国境のコミュニティに相談する際、非常に神経を使ったと語っている。
しかし、人々は、ガザへの支援活動が、イスラエル国家の安全を害するのではなく、その逆であることを理解していると言って賛同したという。
また、世界のユダヤ人たちも、IsraAIDへの支援を続けている。先週、ニューヨークのユダヤ人連盟は、ガザで活動するIsraAIDに100万ドル(1億5000万円)の寄付を発表した。寄付者は、アメリカの企業、ユダヤ人慈善団体など非常に多岐にわたっているという。
石のひとりごと
この記事を読んで、驚かされた。名前を出さずにガザ市民への支援活動を行なっていたと言う。ネタニヤフ首相も、世界にどれだけ非難されても、このことには触れてこなかった。
世界に褒められることを目的にやっているのではないことは明らかであり、これこそまさに人道支援ではないだろうか。イスラエルが、意図的にガザ市民を殺しているのではないこと、意図的に飢餓状態をもたらす気がないことも、明らかである。
イスラエルという国は小さいが、世界中にいるユダヤ人も含めて、実は非常に大きな器であることを改めて感じる。これは、第二次世界大戦でナチスがユダヤ人を滅ぼそうとしたことが愚かであったように、ハマスなどが敵対できる相手ではないということである。
それにしても、ガザ内部で何が起こっているのか、ややこしい限りである。簡単に判断してはならない。特にイスラエルを非難する人々はよく調べる必要がある。
しかし、同時に、ガザ内部に関わっているポリザー氏が、ガザの状況は悲惨なのであり、飢餓状態がないとはいえないということも覚えなければならない。ガザ情勢の早急な解決への道が開けるよう、主に祈る。
