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ハマスが反ハマスデモ参加者鎮圧へ:1人処刑
2月28日にはじまったラマダンが、30日からのエイード・アル・フィトレで終わる。ガザでも瓦礫の中で、その祈りが捧げられていた。
ガザでは、3月1日以降、人道支援物資が全く入っていない上、18日からは、イスラエルによる激しい攻撃が再開され、ガザからの報告は壮絶になっている。
こうした中、先週、始まった反ハマスデモは、3日続いたが、その後、この週末には行われなかった。ハマスが、反ハマスデモの弾圧を開始しているとみられている。
デモに参加した、オダイ・ナセル・アル・ラバイさん(22)が誘拐されていたが、3月28日(金)、自宅前に遺体が投げ捨てられているのが発見された。ハマスの拷問を受けて殺害されていた。
29日(土)に行われたオダイさんの葬儀で、人々は、「ハマスは出ていけ」と叫んでいた。ハマスが、ガザ市民を殺害したことが明らかになるのは、これが初めてとのこと。以下はその葬儀の様子
The family of 22-year-old Odai Nasser Saadi Al-Rubai, who was kidnapped, tortured, and murdered by Hamas militias, opened fire during his funeral and vowed to avenge his death.
Mourners turned the funeral into a protest against Hamas, chanting: "Hamas out, out!" pic.twitter.com/snKhFh6ZVH
— Ihab Hassan (@IhabHassane) March 29, 2025
ハマスは、先週発生したデモは、ハマスに向けられているのではなく、イスラエルに向けているものだと主張していた。しかし、今回、ハマスがデモに参加した人を殺害したことで、このデモが明らかにハマスに向けられたデモであったことがわかる。
なお、こうしたデモは、今回が初めてではない。しかし。これまでは、ハマスが鎮圧に成功していた。
しかし、今回、なかなか鎮圧に出られないのは、イスラエルがハマス高官を標的にした激しい空爆を行っているため、地上になかなか出て来られないのではないかとみられている。
悲惨ガザのラマダン最終日:イスラエルの攻撃で20人以上死亡
イスラエルは、空爆やドローン、地上軍による攻撃で、ハマス高官を狙った攻撃を続けている。
イスラム教ラマダンの最終日が近づいた3月19日(土)、イスラエル軍によるデイル・アル・バラへの空爆で、ハマスによると3人、20日(日)のハンユニスへの空爆で、子供9人と女性3人を含む16人が死亡した。
さらにパレスチナ自治政府関係の情報では、ガザ北部でもジャバリヤへの攻撃で2人、ラファ北部では、ドローンによる攻撃で、数人が負傷したとのこと。
www.timesofisrael.com/mortars-fired-at-idf-troops-in-gaza-armored-bulldozer-hit-by-ied-no-injuries/
ラマダンはイスラム教徒にとっては、重要で家族にとっても大事な例祭である。しかし、ガザの人々にとっては、これまでになく悲惨ラマダンだった。
イスラエルは、ハマスが第一段階の延長を拒否したことから、3月1日から、ほとんどラマダンの期間中、ずっと人道支援物資搬入を差し止めた形であった。
そこへ、3月18日から、イスラエルの軍事攻撃も再開となり、さらなる破壊と人々は移動を強制された形である。戦闘再開から死亡した人は、わかっているだけで、896人。2023年10月に戦争が始まってからでは、約5万人が死亡している。(ハマスのデータ)
ラマダン最終日の礼拝に来た人は、AP通信に対し、「殺人、避難、飢餓、包囲」があるだけだ語り、イード(ラマダン最終日の例祭)の喜びはないと語っている。
www.timesofisrael.com/gazan-man-murdered-by-hamas-after-joining-protests-against-terror-group/
*アル・ジャジーラの偏向報道:ガザの人々の声を伝えていないと土井敏邦氏
1985年から30年あまりにわたってガザやパレスチナ地区での取材を続けて、映画にもしているフリーのジャーナリスト。土井敏邦氏(72)が、日本語で今のガザの様子を詳しく伝えている。
その中で土井氏は。アルジャジーラが、ガザについての報道を封鎖しており、ガザの人々の本当の声を伝えていないと述べている。
また、アルジャジーラが、デモを報じる際、「反ハマス」の主張ではなく、「戦争をやめろ」「ガザへの支援物資搬入を求める」といったスローガンだけを報じているとその偏向傾向を指摘している。
実際には、「覆面の男たちにもう我々を統治させない」「ジェノサイドを止めろ」「ハマスは出ていけ」などと明らかにハマスを非難していたとのこと。
非常に詳しく現場の様子を伝えているので、以下の記事をぜひ読んでいただければと思う。
news.yahoo.co.jp/expert/articles/f816254ebb10ead650a6147d2314c5cd3eb1666c
イスラエルの方針:ハマス追放後はイスラエル軍が管理・ガザ市民は移住
ネタニヤフ首相によると、ハマスは、50日の停戦を行い、5人の生存する人質を解放するという、エジプトの提案に合意したとのこと。
しかし、これは、ウィトコフ米中東特使が人質10人か11人の解放と提示したことに反する案である。イスラエルは、これに同意していない。
ネタニヤフ首相は、30日の閣議で、今、攻撃を止めないで、ハマスとの交渉が続けられていることが功を奏していると述べ、これからもハマスに圧力をかけることで、人質解放に合意させるとの考えを明らかにした。
平たく言えば、ハマスが非武装化した上で、ガザを出ることを目標にする。
その後、イスラエルがガザの治安を維持する中で、トランプ大統領が提案した、ガザ市民の総移住が可能になるという考え方である。
www.timesofisrael.com/pm-says-cabinet-voted-to-step-up-military-pressure-on-hamas-in-gaza/
ネタニヤフ首相は、28日(金)、ガザ避難民を受け入れる国を特定するよう、モサドのバルネア長官に指示したとのこと。
イスラエルはこれまでに、スーダンやソマリア、インドネシアなどの国々にアプローチしたが、いずれも受け入れは拒否している。
先日行われた、ガザ住民へのオンラインインタビューでは、移住するにしても、貧しい国への移住については、それはどうなのかと不安を表明していた。
www.timesofisrael.com/netanyahu-said-to-task-mossad-with-finding-countries-to-house-gazans/
石のひとりごと
土井敏邦氏の30年にわたるガザでの取材から、ハマスに洗脳されていることは否定できないとはいえ、家族を愛する人々の声を聞き、なんとも涙が出た。
また以下のパレスチナ人医師は、イスラエルの病院で働いている時に、イスラエルのガザへの攻撃で娘3人を失った。それでも憎まないと言っている。
まず、注目すべきは、イスラエルでは、ガザ出身の医師も働けるということではないかと思う。
今、ハマスが反ハマスデモを取り締まれなかった理由が、イスラエルの攻撃が続いているせいだとしたら、イスラエルに助けられているようなものである。
逆にこれほどの瓦礫の中で苦しんでいる彼らを見ても、彼らに手を差し伸べるイスラムの国はないという皮肉な現状を、ガザの人々はどう受け取っているのだろうか。
ガザの人々、ハマスの一員になっている一人一人も含め、ハマスのイデオロギーという、サタンの縛りから、完全に解放されるように。真の神との平和、生活環境の平和を受けとれるように祈る。
それは、パレスチナ人のためだけでなく、イスラエルのためにもなることだと思う。
ちなみに、筆者も1989年から、イスラエルとの関係が始まった。記事は2000年代からおいかけている。