29日、午後5時すぎ、インドの首都デリーのイスラエル大使館近郊で、小さい爆発事件があった。この日は、イスラエルとインドが国交を開始してからちょうど29周年目であった。
負傷者はなかったが、付近に駐車中の車数台の窓が割れた。インド政府は、「小さい規模の爆破」と認識しているが、イスラエルは、「テロ事件」として、捜査にあたっている。
その後、爆破現場の近くで、イスラエルのロン・マルカ大使に対する脅迫状らしきものが発見された。手紙は、つたない英語で書かれており、マルカ大使を、「テロ国家のテロリスト」と呼び、「常に見張っており、いつでも攻撃する用意がある。」と脅迫していた。
手紙はまた、「今回の小規模の爆破は、予告であり、大使がどんな反応をするかをみるものであったと述べ、将来、どう防御しても、マルカ大使は死亡する。」と書かれていた。
差出人は、インドのヒズボラと名乗り、殉教者のリストをあげていた。その中には、昨年アメリカに暗殺されたイラン革命軍のスレイマニ総指令官、イランの主任核開発科学者のモフセン・ファクリザデ博士が含まれていた。
確かに文章がセンセーショナルすぎるので、インド政府は、これが人さわがせ行為であるとの見方をしているようである。しかし、イスラエルは、イランが背後にいるテロ事件の可能性があるとして、独自の爆弾のエキスパートのほか、諜報機関モサドを投入して、真剣な捜査を行っている。
マルカ大使は、自分は無事であり、皆の懸念に感謝するとのメッセージをツイッターであげている。
Today, January 29, 2021, at around 5 pm IST, there was an explosion outside the Israeli embassy in New Delhi. There were no injuries, and all of our staff are safe at home. We are working with Indian authorities to find the perpetrators and the motive behind this attack. pic.twitter.com/mSoxjjXf9R
— Ron Malka 🇮🇱 (@DrRonMalka) January 29, 2021
ニューデリーのこのイスラエル大使館では、2012年に、当時の大使の妻の車に仕掛けられた爆弾が爆発し、妻が負傷する事件が発生したことがある。当時、イランが、世界各国のイスラエル大使館を攻撃を繰り返していた時期もあり、同時にグルジアのイスラエル大使館が狙われたほか、タイでは、爆弾を準備していたとみられるイラン人ら3人が、誤爆した爆弾で死亡した。
www.timesofisrael.com/count-the-days-death-threat-against-israeli-envoy-left-at-site-of-india-blast/
イスラエルとイランの間では、今現在、水面下でサイバー攻撃の応酬があるほか、シリアのイラン軍事拠点をイスラエルが、次々を攻撃するなど、実質的には、すでに対戦状況にある。ニューデリーのイスラエル大使館だけでなく、世界中の大使館を覚えてとりなしが必要。