今後ガザの治安を維持し、復興させていく計画は、トランプ大統領の主導のもとで進められる形である。10月10日の停戦合意の後、イスラエル中部のラマット・ガンでは、CMCC(Civil-Military Coordination Center)の拠点が設立された。

CENTCOM(アメリカ中東軍)を中心に、イスラエルを含め、協力しようとする20カ国からの代表と40の国際機関代表、計600人以上が集まっている。
ラマット・ガンに、既に人員を派遣している国々は、次の17カ国。欧米諸国もアラブ諸国も含まれている。
オーストラリア カナダ キプロス デンマーク エジプト フラン ドイツ ギリシャ イスラエル ヨルダン オランダ ニュージーランド スペイン スイス UAE アラブ首長国連邦 イギリス アメリカ
20カ国のうち、パレスチナ自治政府と、イスラエルと直接国交のない、カタールとトルコも代表を派遣していない。しかし、トルコとカタールは、不在であってもガザ復興の、特に経済的なことでは、中心的存在なので、存在感は十分あるとのこと。
ラマット・ガンのCMCCは3階建てのビルで、それぞれチームに分かれて、ガザ復興にむけた計画を進めている。ここでは、停戦状況をチャートで示す大きな画面があり、ガザで何が起こっているのかが見えるようになっている。
イエローラインからイスラエル側へ出てくるハマスや、その時の紛争。また、物資のトラックが横領される様子も、イスラエルが説明せずとも、国際社会の目に明らかになっていることは、イスラエルも評価している。
しかし、集まってはいるものの、今後、この試みが、どうなっていくのか、先行きは、まだあまり見えてこない。
これまでからも、紛争地帯に国際社会の監視団体が入る例はいくつかあった。
その一つが、レバノンでイスラエルとレバノンの停戦を監視するUNIFILである。しかし、UNIFILがヒズボラの拡大を取り締まれなかったように、これまでに、国際監視部隊が、効果的に任務を果たせた例はない。
今回は、さらに、通常は敵対しがちな欧米諸国とアラブ諸国が一緒になっている。それが、イスラエルとハマスがまだ戦っている紛争地帯に入って、停戦を監視するとともに、ガザの復興も図るという。これまでにない、史上初の試みだと言われている。
さらに、今回、主導はアメリカだが、復興への主な出資者は、カタールとトルコとされている。しかし、イスラエルは、この2カ国がハマスの支援国なので、パレスチナ自治政府関係者とこの2カ国代表が、ガザに入ることに、強く反対している。
今、CMCCが、まずしなければならないことは、ISFをガザに派遣することである。遅くなればなるほど、ハマスが勢力を拡大してしまう。
現在、部隊の名前や、ユニフォームが検討されているとのことだが、その構成がどうなるのかなどは、まだ明確ではない。
ISFは地元パレスチナ人とも協力することになっているが、その代表は含まれていないことにBBCは懸念を表明している。実際のところ、これで、ISFは本当に稼働できるのかどうか、先行きはかなり不明といえる・・
www.timesofisrael.com/as-us-dives-into-remaking-gaza-shades-of-nation-building-come-into-focus/
www.ynetnews.com/article/sjrlhdqgwg
www.timesofisrael.com/optimism-abounds-at-gaza-coordination-center-but-violence-puts-truce-at-risk/
石のひとりごと
今世界で起こっていることは、予想外ばかりである。なので、いかに否定的に見えても、何が起こるかはわからない。意外に成功するかもわからない。今後、CMCC、ISF、また、ガザがどうなっていくのか、注視しながら、お伝えする。
