国際司法裁判所(オランダのハーグ)では、南アフリカが、イスラエルがガザで行なっていることは、国際法であるジェノサイド条約に違反すると提訴したことから、11―12日の2日間でそれぞれの言い分を聞く公聴会が行われた。
南アフリカの法務チーム8人は、84ページに及ぶ文書を提出。イスラエルはガザで、空爆や地上での攻撃を行い、人々を大量に虐殺し、水や食糧へのアクセスも妨害するなど、パレスチナ人を民族一掃レベルで攻撃するジェノサイドに当たる行為を行っている。直ちに停戦を命じるように訴えた。
これに対し、イスラエル外務省は、「史上最大の偽善」と非難。南アフリカは、ハマスの弁護人になったと反発した。
jp.reuters.com/world/mideast/22B4ZEKQQRJFTE645MUE2TKLFU-2024-01-11/
その翌日12日には、イスラエルが反論。10月7日にイスラエルに対する残虐な虐殺を行ったことを挙げ、ジェノサイドをしたのは、ハマスの方であり、イスラエルには自衛の権利があると述べた。
また、ハマスの戦略(トンネルや武器庫を市民の間に設立して、民間人を盾にしているなど)、イスラエルが民間人への被害をできるだけ避ける方策を取ってきたこと、イスラエルのガザの人道支援への取り組みについて、数値や具体的な対策を挙げ、南アフリカの訴えには、根拠がないと訴えた。
この訴えについては、ドイツがイスラエルを支持する立場を表明している。
BBCによると、国際司法裁判所が、イスラエルがジェノサイドを行なっていると判決することについては、何年もかかるが、とりあえず、戦争を停止するようにとの提言については、数週間で出る可能性もある。
www.bbc.com/news/world-middle-east-67922346
ICJ(国際司法裁判所)が、どのような結果を出しても、何かを強制する権威はない。しかし、公式の国際世論として、圧力になることは避けられないことになる。
いずれにしても、イスラエルは、今も、またこれからもハマスを解体するまでは、戦闘を続ける意向である。