国連総会は、この5月、今はオブザーバーであるパレスチナを加盟国として認めるかどうかの採択を行い、賛成143カ国と圧倒的多数となっていた。
続いて9月11日、国連総会では、やはりまだオブザーバーとして、最後列に座っていたパレスチナ代表のマンスール氏が、前の加盟国の席へと招かれる様子が伝えられていた。
それから1週間後の18日、国連総会は、緊急総会を招集。国際司法裁判所(ICJ)が7月にイスラエルがパレスチナ人地域で占領政策を続けていることが国際法違反であるとの判決を下したことを受けて、イスラエルに“占領政策”を1年以内に終了させるべきかどうかの採択を行った。
結果、賛成143、反対9、棄権25で、圧倒的多数の賛成となった。アメリカとイスラエルは反対。
日本は、アメリカとイスラエルとも友好関係にありながら賛成票を投じた143カ国のうちの一つであった。
パレスチナ自治政府のアッバス議長は、これを歓迎すると表明。イスラエルのカッツ外相は、テロ組織に、暴力が報われるとのメッセージを発することになる。人質解放の妨害になると訴えた。
イスラエルのエルダン国連代表は、テロ組織に国家の権利を与えようとしていると非難。決議案に賛成した国に、国連憲章を破壊していると述べ、国連憲章をシュレッダーに掛けて見せ、「恥を知れ」と言った。
西岸地区では自爆テロ準備の様相
国連は、パレスチナ自治政府が、パレスチナ人の代表か何かのように扱っているが、現状は何もみていないのだろうか。ガザ地区は、ハマス占領下で戦争状態であり、パレスチナ自治政府はなにもできていない。
西岸地区についても、今は、ハマスやイスラム聖戦など、ありとあらゆるテロ組織が拠点をおいて、イスラエルへの暴力を試み、それを事前に阻止しようとするイスラエル軍とのドロドロの戦闘状態になっている。
8月下旬、ハマスの指導者の一人、カリード・マシャアルは、イスラエルでの自爆テロを奨励。(写真右から2人目)
西岸地区のハマスの指導者として、イスタンブールから、ザベル・ジャバリン(66)という人物が着任したとみられている。(写真左手前)
ジャバリンは、1980年にハマスの一員となり、1993年にイスラエルに逮捕。約20年近く後の2011年にギラッド・シャリート兵士との交換で解放されたテロリストの一人であった。西岸地区で自爆テロを推進するためにきたとも見られている。