嘆きの壁でスリホット・空挺部隊宣誓入隊式も:イスラエル人は強し 2024.9.20

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9月18日:空挺部隊宣誓入隊式

イスラエルは、周囲を敵に囲まれ、攻撃にさらされている。市民100人近くもまだ人質になったままである。必死の自衛を試みているのに、国際社会はイスラエルを孤立させる様相にある。存在否定されているに等しいが、イスラエル人はそれでも、悲観的になるという“ぜいたく”は許されていない。

ヒズボラとの戦闘が進んでいた18日、エルサレムでは、嘆きの壁で、多くの人に見守られながら、空挺部隊の宣誓式が行われた。

ユダヤ教秋の例祭にむけてスリホット開始

イスラエルと世界のユダヤ教徒は、今、スリホットという神の前に悔い改める時期を迎えている。特にスファラディ系のユダヤ人は、エルルに月の第一日とされる9月4日からスリホットを始めている。

エルサレムでは、最終日までの間に19回の特別の祈祷日が行われる。祈祷イベントが始まるのは夜中過ぎだが、6日の映像では2万5000人と文字通り人で埋め尽くされていた。以下の映像は9月19日

www.israelnationalnews.com/en/news/395355

スリホットは、秋の例祭の中の一つ、大贖罪日の前日、10月10日まで続けられる。大祭司とされるチーフラビが群衆を代表して、神の前に罪を認め、赦しをこう祈りを捧げるのである。聖書では、主の民イスラエルが心から悔い改める時、その罪は赦される。神がイスラエルのために立ち上がる時になる。

今年、イスラエルは特に、苦しいところにおかれているので、人々が主を今まで以上に求めるかもしれず、何かが動く可能性もあるようにも思う。

*ユダヤ教の例祭と世界の終末

エルサレムでは、来月、秋の例祭となる。今年はユダヤ教暦に基づいて、10月2―4日がらっぱ(角笛)をふく新年、大贖罪日が10月11―12日、仮庵の祭りが10月16-23日、シムハット・トーラーが10月23―25日。

この秋の例祭は、来るべきメシアの来臨を表すといわれており、最初のラッパは、メシアがくるからその準備をせよとの呼びかけで、人々は神の前に罪を犯していないかどうかを自問し、神の前に悔い改めて、争っている兄弟と和解をすすめる。大贖罪日はその最終日で、メシアが来る日となる。贖罪というように、メシアが告白されている罪を贖うとされる。

そうして神との和解が成立し、その臨在の中ですごすというのが、仮庵の祭りである。その最終日がシムハット・トーラーで、最終的な神との和解という未来の状態を思う時となる。昨年、ハマスが、イスラエルに侵入して大虐殺を働いたのがこのシムハット・トーラーの日であった。

この秋の一連の例祭は、世界の終末に起こることを表しているとされる。人類の救い主は、自力ではどうにもできない、絶体絶命の窮地に陥っているイスラエルを救いに救い主が、エルサレム(オリーブ山)に来るとされる。ユダヤ教にとっては、始めてメシアが地上にくる日である。

一方、キリストが十字架で死に、復活したことで、個人の罪の贖いをしてくれたと信じるキリスト教徒は、この時に、イエス・キリストが再臨(2回目に来る)すると信じている。

地上では、異常気象が極端になり、終わりの時を感じている人は少なくない。加えて、イスラエルが今、世界から孤立し、イランなど周囲からの攻撃で絶対絶命になる様相が進みつつあるということである。

聖書は現実のことが書いてある書である。まだ読んでない人は是非読んでみることをおすすめする。

なぜ国々は騒ぎ立ち、国民はむなしくつぶやくのか。地の王たちは立ち構え、治める者たちは相ともに集まり、主と、主に油をそそがれた者とに逆らう。「さあ、彼らのかせを打ち砕き、彼らの綱を、解き捨てよう。」

天の御座に着いている方は笑い、主はその者どもをあざけられる。ここに主は、怒りをもって彼らに告げ、燃える怒りで彼らを恐れおののかせる。「しかし、わたしは、わたしの王を立てた。わたしの聖なる山、シオン(エルサレム)に。」(詩篇2:1-6)

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。