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どんどん進む?司法制度改革:野党動けず
多くの市民や野党政治家たちの反対を受けながらも、月曜、国会で、司法制度改革法案2項目に関する審議され、1回目を通過した。6周回以内に2回目、3回目の審議を通過したら、法律として成立することになる。
その後連立政権は、司法制度改革として司法の権利を著しく削ぐ法案を次々に審議に提出し、改革を推進し続けている。
1)「にもかかわらず法案」国会過半数のみで法律を決定できる法案
この法案は、政府が出してくる法案を、高等裁判所が、基本法に反するとして却下するためには、裁判官15人全員の完全一致が必要であること(ほぼ不可能)、また仮に却下できたとしても、政府は再審議して、賛成が国会過半数であれば、その法律を履行することが可能とする法案である。
事実上、政府は、国会120議席中、61議席と、わずか1議席の過半数でも、その法案を押し通すことができる。裁判所が差し止めているにもかかわらず、押し通すという意味から、「にもかかわらず法案」などと呼ばれている。今回、この第一回目審議を通過したということである。
連立政権は、このように、司法制度改革案をどんどん押し進めながら、野党ラピード氏に話し合いを呼びかけている。これに対し、ラピード氏と、ヘルツォグ大統領は、いったん司法制度改革を止めた上でないと話し合いには応じないと言い続けている。与党は、こちらは交渉に応じると言っているのに、拒否しているのは野党だといい続けている。
ラピード氏は、国会で、レビン法相に対し、「いいかげんに我々を振り回すのはやめてほしい。影の首相であるあなた(レビン法相)に言う。半年でイスラエルの経済は崩壊し、国が崩壊しはじめるが、それはあなたのせいだ。」と厳しく訴えた。
2)アリエ・デリ氏を大臣に戻す法案
もう一つ論じられているのが、最高裁から、汚職で服役までしたアリエ・デリ氏が内務相、保健相になるのは不適格と却下され、ネタニヤフ首相は、これに従わなければならなかった。
そのデリ氏を役職に戻すための法案、すなわち、政治家は刑事訴訟から免除されるという法案も第一段階をクリアしたとのこと。
石のひとりごと
この問題については、非常に複雑で、法的な専門家でもない者としては、わかりにくい部分もある。しかし、今のところは、まだどれも1回目可決の段階で、まだ完全に法律となったわけではないようである。現地記事の中には、まだどんでん返しがあるかもとの見方もある。
ただ、イスラエルが今、どんどん右方向へすすんでおり、それを止めることができなくなっているような気配ではある。その流れの中で、ネタニヤフ首相が、これまでのように、完全にリーダーシップをとっていないのではないかという気配も若干、感じてもいる。
西岸地区での大胆な衝突も含め、イスラエルがここからどこへ向かっていくのか。主は何をみておられるのか・・。世界からはどんどん批判される動きになっており、なんとも不安だけが残る・・そんな感じである。