今週初頭、アメリカ国籍の人物が作成した反イスラム的映画がユーチューブで出回った件で、中東、北アフリカからインドネシアにいたる22カ国でアメリカの旗を燃やすなどの反米デモが発生。22日金曜、パキスタンでは「ムハンマドを愛する日」が宣言されてデモが行われ15人が死亡した。
昨日はアフガニスタン、マレーシアなどでも再燃の兆しがあり、アメリカの領事館周辺で警戒態勢となっていたが、なんとか平和なデモで終わったもよう。エジプトはじめ、各国政府はイスラムの過激化をおさえるのに苦心している。
<火に油そそぐフランス>
この時勢に先週、フランスでもイスラム教預言者のモハンマドを愚弄するようなイラストが発表された。フランス政府は、関係施設への襲撃に備え、金曜から中東北アフリカ諸国のフランス大使館などを閉鎖している。
こうした現状だが、アメリカ、フランスともに言論の自由をもって、問題のビデオやイラストを取り下げない方向だ。言論の自由を宗教より上に置いているのが西側で、イスラムとの文化の争いとも言われている。
アメリカでは「反聖戦(ジハード)」のちらしが掲げられ、アメリカとイスラムの反目は広がる一方である。
<ハマスの息子モサブ・ハッサン・ユーセフ氏コメント> http://sonofhamas.wordpress.com/
元ハマス指導者の息子で、キリスト教徒に改宗し、アメリカに亡命しているモサブ・ハッサン・ユーセフ氏。ユーセフ氏も以前からモハンマドの生涯に関する映画を作成することを発表している。中東の一部のメディアは、ユーセフ氏が今回の映画にかかわりがあるのではないかと言っている。
これについてユーセフ氏は、激しく否定。「目があるなら明らかにわかることだが、全く不当なうそである。これは私自身に対するテロだ。この映画は、イスラム教徒だけでなく非イスラム教徒にとっても非難すべきもの。悪いことに、この騒乱を利用してテロを正当化しようとする政治的な動きがある。自由を暴力にすりかえられてはならない。」と語った。