アメリカは、ヒズボラとイスラエルの停戦交渉を仲介している。その特使であるアモス・ホフスタイン氏は、レバノンを訪問。レバノン政府を通じて、ヒズボラとの交渉を行っていた。
基本的に、イスラエルはヒズボラを絶滅することは、戦争の目標には揚げていない。ヒズボラが、最大30キロ北のリタニ川まで撤退し、そこから南にはその存在がなくなること。それによって、イスラエル北部避難民が帰宅して、安全に住める状態になればいいわけである。
ホフスタイン特使によると、ヒズボラがリタニ川まで撤退し、それをレバノン軍が監視する方向で、交渉がこれまでになく前進していると表明していた。
そうして、11月21日(木)、レバノンでは相変わらず激しい攻撃が報告される中、イスラエルに到着した。
ホフスタイン特使は、ネタニヤフ首相、続いてカッツ外相と、ハレヴィ参謀総長と会談した。
現時点での交渉によると、停戦の後、イスラエル軍は、南レバノンから撤退し、避難している南レバノン住民が帰宅することが可能になる。その地域にイスラエル軍が滞在することはない。
UNIFIL(国連レバノン暫定駐留軍)も治安維持に加わると考えられるが、イスラエルはもはやUNIFILの存在はほとんど評価に入れてないとのこと。2006年以降、UNIFILはヒズボラが、レバノン南部に壮大な地下基地を設立しているのを無視してきたからである。
そのため、イスラエルは、もしヒズボラが、その南部地域で再結成していることがわかれば、イスラエル軍がこれを攻撃する権利を維持するという条件を加えるよう、要求している。
しかし、その後、レバノン政府が、停戦から60日以内に撤退することを要求してきて、イスラエルが合意するかどうかの返答は出ていない。両者の間には、まだギャップがあるとみられる。
こうしている間にも、イスラエルは、レバノン、またシリアでも、ヒズボラの回復力を削ぐよう、軍事作戦を継続している。
交渉で、どんな約束が達成できたとしても、結局のところ、ヒズボラもイランもイスラエルを抹殺しようとしていることには変わりはない。戦争になっている今のうちに、実質でヒズボラを出来るだけ無力化しておく作戦のようである。