先週、エジプトのムルシ大統領が、自らの権力を最高レベルにあげ、ごり押しでイスラム主義勢力主体の委員会で憲法の草案を作製、来週15日に国民投票すると発表したことで、エジプトがまっぷたつに分裂する様相となっている。
先週からタハリル広場で大規模な反ムルシデモが起こり、テントで泊まり込んでのデモが続いていたが、5日、反ムルシを叫ぶ群衆が大統領府周辺に集結。「市民の意向を反映していない憲法草案を撤回せよ。」と叫んだ。
夜になって、ムスリム同胞団の親ムルシ派の群衆も同じ大統領府でデモを始め、両者10万人とも推測される群衆が石や火焔瓶を投げ合う暴力的な衝突となった。
暴徒に対応する警察が催涙弾などを使って対応にあたっているが、対応しきれず、負傷者多数、死者も2名出ている。
ムルシ大統領はあくまでも草案した憲法を撤回せず、15日に国民投票を決行するもよう。今後どうなるか先行きはまったく見えない状況だが、聖書のイザヤ書19章を思い起こさせる状況である。
<イザヤ書19:3・・・19章全体がエジプトに対する宣告>
わたしは、エジプト人を駆り立ててエジプト人にはむかわせる。兄弟は兄弟と、友人は友人と、町は町と、王国は王国と相逆らって争う。エジプトの霊はその中で衰える。わたしがその計画をかき乱す。彼らは偽りの神々や死霊、冷媒や口寄せに伺いを立てる。わたしはエジプト人をきびしい主人の手にわたす。力ある王が彼らを治める。(イザヤ書19:3)
なお、イザヤ書によれば、エジプトは混乱と没落の後に救われるようである。