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ガザ停戦後はどうする?
交渉がすすみ、ガザでも停戦に入ったとすると、問題は、それからガザをどう管理し、復興させていくのかという点である。イスラエルとしては、復興は、ハマスを排斥した形で、穏健派アラブ諸国や国際社会が担当し、治安維持については、イスラエルが目を光らせる形を望んでいる。
しかし、国際社会は、イスラエルにはガザから撤退するべきだと考えており、今後、この点でぶつかる可能性が高い。
1)イスラエルはガザに軍事拠点設営
こうした中、衛星写真から、イスラエル軍が、ガザの中央を横断する重要なルートに沿った、ネツァリム回廊に数十ヶ所の基地を設置していると、12月2日(月)、ニューヨークタイムスが伝えた。
この回廊は、ガザ中央部、北部、南部にも続くアクセスを制御できる位置にある。イスラエルは周辺にあった600の建物を破壊し、回廊とされる地域の拡大を図っている。
NYTは、戦闘工兵隊が働いているとも報告し、イスラエルが、ここで長期的な滞在を計画しているのではないかと記録している。
www.nytimes.com/2024/12/02/world/middleeast/israel-gaza-bases-netzarim.html
2)ハマスとファタハが共同ガザ復興委員会立ち上げ
一方、ハマスとファタハ(パレスチナ自治政府)は、カイロでの交渉で、戦後のガザを統治していく共同の委員会を立ち上げるために合意したとのこと。12月3日(火)明らかにした。
それによると、メンバーは10-15人で、経済、教育、健康、人道支援、ガザ再建について考える。最終的な決断は、パレスチナ自治政府(PA)のアッバス議長。そのために重要な役割を果たすラファ検問所を両者が共同で管理することでも合意したとのこと。
www.timesofisrael.com/fatah-hamas-agree-to-form-committee-to-run-postwar-gaza/
イスラエルの計画をハマスとPAは受け入れないだろう。一方、ハマスとPAの計画をイスラエルが受け入れるとは思えず、ガザについては、たとえ停戦になり、人質が戻ったとしても、そこからが問題・・という感じである。
無秩序で悲惨すぎのガザ内部の様子
海外からは、いろいろな計画が持ち上がっているが、ガザ内部は、無政府状態で、ギャングが横行している。
支援物資はどんどん略奪され、市内に物資はあるものの、その値段は沸騰している。そのための飢餓ということであり、そのために路上で人が死にかけているのである。
たとえば、パン一斤が7ドル、小麦粉1袋が250ドル、牛乳1缶10ドルなど。タバコの変動が異常で、1箱7―8ドルの時もあれば、55ドルとかになっている。
強奪だけでなく、空腹の人々が食料に飛びついて暴動になることもある。ハマスはとりあえず、支援物資の強奪を止める部隊を設立したところ、衝突で20人を殺害したとの情報もあるという。
ガザの冬は寒い上に雨も降るが、家はなく、テントにいる。ガザにいる人々は、限界にあり、とにかく停戦してほしいと言っている。