レバノンでは、イスラエルとヒズボラの停戦合意に到達してから1月26日(日)で60日を迎えた。この日までにイスラエル軍は、レバノン南部領内から完全に撤退を終えている予定であった。
しかし、レバノン南部には、まだまだヒズボラの武器やインフラが発見されており、政権が変わったばかりのレバノン政府やその軍に任せて撤退することが、難しい状況であった。
このため、ネタニヤフ首相は、撤退の延期を発表。バイデン政権も、これを認め、停戦は2月18日まで延長すると発表した。言い換えれば、イスラエル軍がこの時まで、駐留を続けることが認められた形である。
これに先立ち、イスラエル軍は、まだ駐留を続けている南レバノンの地域について、現時点ではまだ安全とはいえない。敵はあなた方ではないとして、国境から2キロ以内地域には、まだ入らないよう、警告を出していた。
ところが、撤退期限であった1月26日(日)朝、この地域にレバノン人の群衆がなだれ込んできた。
群衆は、ヒズボラの旗や、ナスララ前党首の写真を掲げており、親ヒズボラ派のレバノン市民とみられる。女性たちもいた。
דרום לבנון : הרצל (צה״ל) אמר לא לעבור נכון?!?
ירי הרחקה של לוחמי צה״ל לעבר תושבי מארון א-ראס. pic.twitter.com/vJwfTj16nE— מה חדש. What's new❓ (@Gloz111) January 26, 2025
イスラエル軍は、発砲して対応しようとした。衝突は複数の村で発生し、レバノン保健省によると、レバノン軍兵士含む22人が死亡。124人が負傷した。
イスラエル軍は、危険な数百人の暴徒が脅威になっていたと説明しているが、レバノン軍は、「イスラエルが、停戦協定に反して駐留を続けている。レバノンの主権を侵害し、殉教者を出した。」との声明を出した。
レバノンのアウン大統領は元レバノン軍総司令官である。レバノン市民に対し、レバノン軍を信頼し、自制力を発揮するよう、呼びかけている。
ガザだけでなく、北部でも停戦が危うくなっているとの懸念が広がっている。