ベネット首相は、就任以来、ワクチンとグリーンパス制度の活用で、ロックダウンせず、経済の回復を優先させる方針を続けている。
現時点で、コロナに感染し、重症化している人々の多くが、ワクチン接種を受けられるにもかかわらず、自ら受けないでいた人々である。このため、ベネット首相は、その人々のために社会全体がロックダウンをするのはフェアではないと考えている。
ベネット首相は、社会のためにもワクチンを受けるよう、市民に訴え続けたことから、その後、この呼びかけに応じた人も出た。しかし、それでもまだ、まだワクチン接種を受けていない人は60万人。2回までは受けたが、3回目を受けていな人が300万人である。
ファイザーのワクチンは、時間の経過とともに、効果が減少することが、明らかとなっている。政府は、2回接種を受けても、6ヶ月後以降で、3回目を受けていない人は、グリーンパス(ワクチン接種証明・陰性証明)を失うとしている。
この状況下で、最近の24時間の感染者数は、3000人から8000人の間で変動し、陽性率は5%で高止まりしている。注目されるのは、ワクチンを受けていない子供達の間で、感染が拡大しているという点である。
23日のデータで、現在コロナに感染し、発症している人は3万6822人だが、このうち56%は子供であった。現在9万人の子供たちが、自主隔離に置かれている。
一方、重症者は、先週、645人であったところ、今週は、713人に増えた。このうち人工呼吸器依存者は、202人である。子供たちは重症化はしにくい。重症化して死亡しているのは、主に50歳以上の高齢者である。
重症化して死亡する人は、9月に入ってから平均1日23人。9月だけで、すでに550人が死亡した。医療施設では、重症患者が増えてきたことで、ECMOが不足するとして、医療の限界を警告している。
www.ynetnews.com/health_science/article/bysxwq5my
こうした状況から、日本でいう、専門家会議は、政府が、今後も行動制限を強化しないままでおくことに警鐘を鳴らしている。特に、今屋内での集会が500人までになっているところ、300人までとするべきだと主張している。また、政府がコロナ閣議を開催したのは、8月30日が最後になっていることも、反発を呼ぶ材料となっている。
保健省のコロナ担当、ナフマン・アシュ氏は、政府が今の方針を見直し、行動制限を強化すべきと政府に圧力をかけているとのこと。しかし、ベネット首相は、まもなく国連総会のため、アメリカへ出発する。今日は、安息日入り。変化があるとしたら、26日日曜以降だが、そのころ、首相はすでにアメリカに出発していると思われる。
www.timesofisrael.com/government-covid-experts-push-strategy-rethink-as-infections-spread/