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ハマスが本日女性兵士4人解放へ
ハマスは、昨日1月24日(金)午後4時になってからようやく、2度目の人質解放として、本日解放される予定の人質の名簿を提示した。合意では、女性市民1人と女性兵士3人の約束だったが、今回、解放されるのは女性兵士4人である。
明らかな合意違反ではあるが、イスラエル政府は、だからといって反故にするほどの違反ではないと判断し、ハマスが提示した4人の解放を受け入れることにしたとのこと。釈放は本日1月25日(土)午後2時以降(日本時間午後9時以降)とみられていた。
しかし、25日日本時間午後6時現在、ガザ市では、すでにハマスが集まってきており、赤十字とのやりとりが始まっている。以下のガザ市からのサイトからは、その様子が生中継される。(ハマスかその関係者によるものと思われる)
解放されるのは次の4人である。リリ・アルバクさん(19)、ダニエラ・ギルボアさん(20)。カリナ・アリエフさん(20)、ナアマ・レヴィさん(20)リリ・アルバグさんは、1月4日に、ハマスが、悲惨ながら生きていることが確認できる映像を家族に送りつけていた人質である。
イスラエル政府から知らせを受けて喜ぶダニエラさんの家族の様子 母親が「彼女が帰ってくる!」とXにアップしたものである。
This Evening: The mother of Daniela Gilboa, who is expected to be released from captivity tomorrow, shared on social media: "She's coming back!"
r/t @yollancohen אורלי גלבוע
So happy for the family 🩷 pic.twitter.com/k2Y9IuCLnc— Iris (@streetwize) January 24, 2025
一方で、落胆に沈み込む家族もいる。10月7日のハマス襲撃で、拉致されていた女性兵士は7人。ガザ国境近くで、イスラエル軍監視部隊に配置されていて被災した。これまでに、1人はイスラエル軍が武力で奪回。
1人は遺体で発見。今回4人が解放されて、1人が残されることになる。その1人とは、昨日の記事で紹介したアガム・ベルガーさんである。家族の落胆を思わされる。
しかし、もう一人、大きすぎる落胆を経験している家族がいる。民間女性のアレベル・イェフードさん(29)は、2023年11月の最初の人質解放のリストに名前が上がっていた。
しかし、アレベルさんが解放される直前に、戦闘が再開してしまい、解放されることなく、今に至っている。
アレベルさんは、第一段階で解放される33人の中には入っているが、イスラエル政府は、今回、アレベルさんをリストに入れるよう、ハマスに要請し、家族には、今回解放されるみこみと伝えていたという。
しかし、今回も解放されることはなかった。アレベルさんは、イスラム聖戦に捉えられているとのことで、なんらかの問題あったのかもしれない。2度目の落胆となり、こちらの家族の精神的な打撃は想像を絶する。
なお、今回解放される女性兵士4人は、イスラエル兵ではあるが、職業兵士ではない。国民の義務として徴兵されていた人たちで、それぞれの夢に向かっている途上で、それを中断して兵役についていただけである。
たとえば、リリさんは、インテリアデザイナーとして建築家を目指していた。ダニエラさんは、プロのピアニストを目指していた。カリナさんは心理学者を目指し、ナアマさんは明るいトライアスロンだったという。無事に解放が完了し、人生を再出発できるようにと思う。
www.ynetnews.com/article/r18q00vzoye
イスラエルが解放するパレスチナ人はどうなる?
3人の人質が戻ってくるとすると、今回は兵士たちなので、一人につき50人のパレスチナ囚人を釈放することになり、最低でも200人になるとみられる。
本日はまず70人が釈放される予定とのこと。合意では、第一段階とされる42日の間にイスラエルは737人を釈放する予定である。
しかし、今回、ハマスが、民間人1人の代わりに兵士一人を解放すると言ってきていることから、イスラエル側でもだれを釈放するのか等、リストに変更があるのか、まだメディアには発表されていない。
最終的に釈放される予定の737人パレスチナ人の中には、110人の殺人犯で終身刑の者も含まれている。たとえばイスラエル人女性を強姦して殺害した犯人などである。家族はその事実をどう受け取るのか。だれを釈放するのか、政府も苦悩すぎる決断である。
人質家族の一人は、SNSに「人質を取り戻すことは言うまでもなく最重要事項である。しかし、殺人犯のパレスチナ人を釈放するということは、将来、もっと人質をとるように仕向けているのではないか」と投稿していた。
一方、第二次インティファーダの際、バスの自爆テロで、家族を殺された家族は、「何はともあれ、家族が一つになることが大事だと思う」と言う被害者家族もいる。家族たちの複雑な心を思うと胸が痛む。
www.timesofisrael.com/convicted-terrorists-to-be-released-are-an-open-wound-for-victims-families/
石のひとりごと
主の民とされるユダヤ人たちが表していることは、まず人間の限界であるように思う。主に助けを求めるしかない状況に置かれることが多いのである。
ネタニヤフ首相や政府閣僚、人質家族たち、人質本人たち、皆が主に目を向け、助けを受け取ることができるように。私たちも主に目を向けよう。