Ynetは、ハマスとの停戦で、今後ハマスとガザ地区はどうなっていくのか、予想されることについての記事を出していた。
それによると、結局のところ、今回、これまでの15か月間、終わらせることができなかったガザでの戦争が、今、停戦に向かうのは、トランプ氏の登場が区切りとなったからであって、無理矢理停戦の様相であることは否定できないようである。
一応、停戦にはなるが、その先のことが具体的にはあまり決まっていないのである。
第一段階の停戦が順調に始まったとして、第二段階への交渉は第一段階開始から16日目に行われるが、破綻する可能性は低くない。
この時、残る人質、男性市民と男性兵士の解放が話し合われるが、ハマスは、その見返りにバルグーティといった大物の釈放を求めると予想されている。
またイスラエル軍のガザからの撤退も話し合われるが、この件について、ハマスとイスラエルの考えは、まだまだ合意からはほど遠い。
戦後、ガザの復興を、だれが中心となり、どのように進めるのかの見通しもほとんどたっていない。結局、戦闘が続いていく可能性がある。
イスラエルはハマスのシンワルらを殺害し、かなり無力化したものの、まだ完全ではない。ガザには、まだ名が知られるほどのハマス指揮官らと、数千人の戦闘員が残留している。ガザ北部では、今も激しい戦闘を続ける能力を維持している。
ハマスがガザで10代を含む若者を、徴兵しているとの情報もある。
ガザ中央付近のヌセイラトと、アル・ブレイジにあるハマスの2個旅団をほぼ無傷で残されている。ここに人質がいるのか、イスラエル軍は攻撃していなかったという。
またここ数ヶ月、戦闘がガザ北部に集中していたことから、ハマスは、南部最大のハンユニスで軍事力を回復させているとのこと。
その南部では、地下トンネルがまだ数十キロ残されている。ハマスはこれらのインフラを15-20年かけて作り上げたのである。1年そこそこで全部摘発ができないことは、当然といえば当然かもしれない。
ハマス、またイランも、この合意はイスラエルにとっての敗北だとの見解を表明している。また最終的な目標である“占領”をやめさせる、つまりは、イスラエルを亡き者にし、エルサレムから追い出すという目的に向かって進み続けるといきまいている。
確かにハマスは大打撃を受けたが、中東イスラムの世界では、時間の感覚が違っており、いつまでにそれを達成しなければならないとう感覚がないと聞いたことがある。たとえば、祖父の時代に始まった戦争が終るのがひ孫かそれ以後になっても、全然落ち込まないのである。
そうとうな打撃を受けても落ち込まず、相変わらず豪語しながら、延々と戦いを続けるという、理解不能なメンタリティがあるということである。
一方で、イスラエル軍は、若者が、その人生を犠牲にして従軍する形の予備役の招集に限界が来ており、ピーク時のように3万人を招集することは不可能である。
ガザとの停戦が始まった後も、現場での戦闘を担当する軍部は、今後も状況が不安定な状況が続き、非常に複雑な作戦を強いられるような困難な状況が、長く続いていくと覚悟しているとのこと。