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人質家族たちがガザへ車列で訴え
28日、人質家族、親族たちが、人質の解放を訴えるため、テルアビブから、ガザ国境まで、車を連ねてガザ国境に到達するというデモが行われた。
参加したのは、300台以上の車とその中にいた数千人。車列の中には、10月7日にハマスに破壊された車を引くトレーラーも含まれていた。
参加した車は、「Bring them home(人質を取り戻せ)」を象徴する黄色の旗をつけている。ガザ国境近くでは、集会が開かれ、人質解放を訴えたが、同時に、交渉で強気の態度を崩さないネタニヤフ首相の方針を批判した。
www.jpost.com/israel-news/article-816774#google_vignette
ガザにいる愛する家族への叫び
その翌日29日には、人質家族たち20人ほどが、ガザ国境のキブツ・ニール・オズのガザとの国境のフェンスを超え、家族たちが、ガザ方面へ向かって走る様子が伝えられた。
フェンスを超えたとはいえ、すぐにガザ地区ではない。まだ遠くにその国境はある。
実際にガザまで行ったのではなく、イスラエル軍に止められたこともあり、キブツの外壁のフェンス近くを走っただけだったとのこと。
Breaking: Hostages’ families are running toward Gaza, calling for their loved ones who are held for 328 by Hamas terrorists. @KnessetT @bringhomenow pic.twitter.com/uovQn1lLK7
— רותם גולן – Rotem Golan (@RotemGolan_) August 29, 2024
家族たちはそこから、ガザに向かって、とらわれて328日になる愛する家族たちにメッセージを叫んだ。
人質になったままのニムロッドさんの父親、ヤフダ・コーヘンさんは、「ニムロッド!お父さんだ。国境に来てるぞ」と叫んだ。
以下は、「お父さんとお母さんよ」「強くあれ。諦めてない。家に連れて帰るから」などと必死に人質たちに呼びかける家族たちの様子。
💔Emotional footage of families with loved ones held hostage by #Hamas terrorists in #Gaza for 102 days & counting.
The families set up loudspeakers near the Gaza border, yelling into megaphones & hoping that their loved ones can hear them. #BringThemHome pic.twitter.com/xvzLAimE8O
— CIJA (@CIJAinfo) January 16, 2024
人質は251人連れ去られ、このうち今もガザにいるのは103人(メディアによって差がある)このうち33人は遺体になっているとみられている。
ガザでは、ポリオウイルスが検出されており、人質もその危険の下にいると懸念されている。
救出されたアル・カディさんが一緒にいた人質はアリエ・ザルマノヴィッツさん(86)
先日ラファのトンネルから救出されたベドウインのアル・カディさんが、そのすぐ横で殺されたと言っていたイスラエル人は、ニール・オズの自宅から拉致されたアリエ・ザルマノヴィッツさん(86)であったことがわかった。
アリエさんは、拉致されてから5週間後に死亡していたことになる。アリエさんの死亡は、ハマスが送ってきた映像などからも、すでに確定されていたことだった。
アル・カディさんは、ガザから救出されてベエルシェバの病院に搬送されるとすぐに、アリエさんの息子、ボアズさんに連絡を取るよう依頼した。
ボアズさんに、ガザで病気だったアリエさんの様子を話した。
アル・カディさんは自分も人質で負傷していたにも関わらず、アリエさんのそばで世話をしたという。
アリエさんは、アル・カディさんに、自分の生涯をかけたキブツとの関わりや、キブツにいる家族や人々のことを心配していると話していた。
父親の最後のことを聞いたボアズさんは、アル・カディさんに会えたことが、どれほど重要だったかと言っている。今は早く遺体を取り戻して埋葬してやりたいと語っている。
なお、ボアズさんが聞いたところによると、人質たちの置かれていた環境は相当劣悪だったという。負傷しても適切なケアは受けられず、そのまま殺される人もいた。
アル・カディさん自身も、昼間か夜かもわからない、トンネルの暗闇に置かれいたという。いわゆる触れるような真っ暗闇の中である。
食事もろくにない状態で、一緒にいた他の人質は、足を打たれて、麻酔もせずにその摘出術を受けていたなど、地獄の日々を語っていた。
先に救出されたノアさんたちは、これよりかなりましな環境に置かれていたように記憶している。人質によって、どこでどのように過ごしているのかは、違っているようである。
石のひとりごと
人質家族たちの絶対に諦めない、戦う姿には感動させられる。GPO(イスラエル政府プレスオフィス)は以下の聖書からの言葉を引用していた。
主はこう仰せられる。「あなたの泣く声をとどめ、目の涙をとどめよ。あなたの労苦には報いがあるからだ。―主の御告げ―彼らは敵の国から帰って来る。
あなたの将来には望みがある。―主の御告げ―あなたの子らは自分の国に帰って来る。(エレミヤ書31:16-17)
また、アル・カディさんは、ベドウインでイスラム教徒である。しかし、これほどに、ユダヤ人たちと心を通わせている。
イスラム教徒というだけで、皆がハマスのような考えであるとは限らないということである。