人質女性兵士4人イスラエルへ元気で生還 2025.1.26

IDF

人質女性兵士ガザでパレード後解放

1月25日(土)ハマスは、予告していた通り、4人の女性兵士人質を解放した。解放されたのは、以下の4人。

リリ・アルバクさん(19)、ダニエラ・ギルボアさん(20)。カリナ・アリエフさん(20)、ナアマ・レヴィさん(20)リリ・アルバグさん

in Gaza City, Jan. 25, 2025. (AP Photo/Abed Hajjar)

ハマスはガザで、ハマスの軍服と銃を掲げる大群衆の中、4人をパレードさせ、ハマス戦闘員らとともに、ステージに立たせて、まるで見せ物のようにした。

4人は、軍服のようなものを着て、前に解放された人質と同様にハマスから渡された紙バッグを持っている。

4人が立っていたステージには、英語とアラビア語で、「パレスチナ:ナチスのシオニストの圧力

in Gaza City on January 25, 2025. (AFP)

に勝利した人々」と、書かれていた。ヘブライ語では、「シオニストは勝てない」と書いてあった。

4人はその前で、満面の笑顔でガッツポーズをした。ハマスに拉致された時の4人の血まみれの様相や、その後、ガザの地獄で477日も生き延びたとは思えないような元気な顔である。

まだあまり証言は出ていないが、人質によると、4人の中でもリリさんがリーダー的な存在だったという。

ガザでの生活は、時にトンネルで、1人で長くいた時もあったが、4人は、子守や食事作りをさせられたとのことである。

4人はその後、赤十字の車に乗せられて、ガザを出発。イスラエル領内に入り、IDFに引き渡された。その様子を中継で見ていた家族たちはよろこびの叫びを上げた。

その後、4人は、テルアビブの病院にヘリコプターで搬送され、そこで、それぞれの家族との感動の再会を果たした。号泣もあったが、人質とその家族たちは、純粋にサバイバルできたことを喜んでいる。イスラエルのメディアは、4人が生き延びたことへの強さを称賛している。

4人の生還は、イスラエル中に大きな喜びをもたらした。テルアビブでは、病院に到着するヘリコプターに、人々が、イスラエルの旗を振りながら出迎えた他、人質広場では、群衆が見守る中、大きなスクリーンに4人が解放される様子が映し出され、4人が出てくると、涙ながらにお互いに抱き合っていた。

石のひとりごと

女性たちは、レイプされ、子供を生まされたのではないかなどと、悲惨きわまりない予測がなされていたが、そんな様子はほとんどみられない。そんなことになっていたら、こんな笑顔は作れなかっただろう。やせこけた様子もない。

今はまだ、ハマスにどんな扱いを受けていたのかはわからないが、ともかくも、これほど元気に戻ってきたことは本当によかった。

また、他人であっても、同じイスラエル人というだけで、まるで自分の家族のように涙して喜んでいる。これこそイスラエル人の姿かもしれない。

ハマスが、解放する人質を前に、勝利を宣言することに注目せず、何はともあれ、一人の国民を救出することに、犠牲を払うことにも合意する人々がこんなにもいるということである。こんな国は他にはないだろう。ここにも感動を覚えた。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。