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10月2日(木)夜、イスラエル軍が、ガザ・フロティーラ船団の41隻を拿捕し、活動家たち400人以上をアシュドドへ連行。3日(金)から強制送還が始まると伝えられている。
この件について、活動家たちが、44カ国から来ていたこともあり、世界中からイスラエルへの非難が殺到。世界各地で、反イスラエルデモが発生した。

(Photo: Jack Taylor/Reuters)
イギリス、フランス、ドイツなどは、乗組員の安全保障を求めるとともに、物資がガザへ届けられるよう要求する声明を出した。
イギリスでは、各地で、ガザ・フロティーラを拿捕したイスラエルに反発するデモが計画されていたが、2日朝に、マンチェスターで、シナゴーグでのテロが発生したことを受けて、警察が延期を要請した。
しかし、マンチェスターでは、これに応じず、デモが発生していた。Ynetによると、ロンドンなど、その他の地域でもデモが行われていたとのこと。

ベルギー、スペインは、イスラエル大使を召喚して、この件は受け入れられないと伝えた。
スペインでは、バルセロナで、スターバックスや、ハンバーガー店、レストランなどに反イスラエルの落書きがされた他、Ynetによると、1万5000人が参加するデモが発生していた。
スイスのジュネーブでのデモでは、警察3000人が出て、催涙ガスや放水銃も使われたとのこと。
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イタリアでは、ミラノ、ローマ、各地で、交通を遮断するなどのデモが発生した。トルコは、イスラエルのテロ行為だと非難。イスタンブールでは、イスラエル大使館の外で、デモが発生した。
南アフリカからは、活動家の中にネルソン・マンデラ氏の孫が含まれており、現在イスラエルに拘束されていることもあり、ガザとの連帯を表明するフロティーラの物資とその思いがガザに届けられるべきだと表明した。
コロンビアは、イスラエル外交官4人を追放。イスラエルとの自由貿易協定を停止すると発表した。コロンビアのペトロ大統領は、ネタニヤフ首相をジェノサイドと呼び、トランプ大統領をジェノサイドの共犯者と呼んでいた首脳である。
ヨーロッパに根付く反ユダヤ主義を後押ししたパレスチナ問題/Ynet
www.ynetnews.com/opinions-analysis/article/s1ilyt2nlg
Ynetのこの記事は、中東からのイスラム教徒移民者の問題もあいまって、反ユダヤ、反イスラエル主義がエスカレートして、ヨーロッパが今、大きな混乱の中にあると指摘する。
ヨーロッパの反ユダヤ主義は、1世紀にさかのぼって、キリスト教会の権威が、ユダヤ人を「キリスト殺し」と教えたことから根付き始めた。その後様々な要素も加わって、やがてホロコーストにつながっていった。
その後、イスラエルが独立して、パレスチナ人との対立から中東戦争が続くと、ヨーロッパ諸国の中で、古くから根付いている反ユダヤ、反イスラエルが盛り返すようになる。特にこの記事では、フランスが、1973年のヨム・キプール戦争の只中で、イスラエルに武器供与を停止したことを挙げている。
その後、ヨーロッパの反ユダヤ、反イスラエル主義は、アラブ諸国からの大量の移民によっても悪化していった。そうした中でのガザ問題。ヨーロッパの反ユダヤ、反イスラエル主義は、パレスチナ問題に大きく後押しされているとこの記事は指摘している。
今後、ユダヤ人たちは、イスラエルへと移動していき、イスラエルは強化されるだろう。しかし、ヨーロッパは、ユダヤ人の代わりに、多くはイスラム系の反ユダヤ主義が、勢力を拡大していき、弱体化するサイクルが形成されたと指摘している。
石のひとりごと
世界はなにやら混乱している。やはり終わりの気配を感じる日々である。
