世界のビジネスマン、イランに篤い視線 2013.11.30

ジュネーブで、国際社会がイランとの暫定合意に至り、イランとの貿易が一部再開されることになった。6ヶ月だけという期限付きであるにもかかわらず、ビジネス界は今、イランとの貿易再開に篤い視線を向けている。

イランに注目しているのは、ドイツ、フランス、アメリカなどの会社。ビジネスが再開されると、イランとの銀行取引を再開する必要も出てくる。トルコではその準備もすすんでいるという。

これらの会社は、今後の状況がどうなるかを見守っており、すぐにもイランとビジネスを再開したい考えだ。

なお、ジュネーブで決まった合意事項は、イランと6カ国、IAEAが合意する実際のプラン作りが手間取っており、まだスタートしていない。12月末か1月という報道もあるが、まだ明確ではない。

*アラクの核施設について修正お願い

前回、お知らせしたアラクの核施設の建設について、すべて整っているとお伝えしましたが、正確にはまだ途上であると報じられています。

しかし、まだ完成していないとはいえ、国家治安研究所(INSS)のランダウ博士によると、中にはすでに高度な遠心分離器が設置されていて、テストも稼働も可能な状態だということでした。

ジュネーブの合意事項が定めたことは、「建設の中断」ですが、具体的には、「これ以上追加の機材を搬入しない」「燃料を精製しない(つまり稼働させない)」などを意味しています。

ランダウ博士は、今後イランが、アラクで”テスト”に踏み切るのではないかと懸念していました。”テスト”は”稼働”ではないからです。

その懸念通り、BBCなどの報道によれば、イランのザリフ外相は、すでに「アラクの建設は続ける。」「テストは行う」と発言しています。

今後、最終合意にむけて、こうした細かい言葉の解釈の違いで、イランと論争になってくる可能性があるとランダウ博士は懸念しています。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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