ローマ法王退位 2013.2.11

11日、現ローマ法王のベネディクト16世が、自らの決断と申し出により、2月28日付けをもって退位することが決まったとの発表が、正式にバチカンから出された。

法王が自ら退位するのは1400年代中世のグレゴリー12世以来で、きわめて異例のこと。カトリック教会によると、今後「法王不在」の期間ができるだけ長引かないよう、3月末までには新しい法王選出の手続きに入る見通しだという。

辞任の理由は、ベネディクト16世本人の発表によれば、「85才という高齢となり、心身共に、法王としての働きを十分に果たせなくなっていることを自覚した」ことがあげられている。

法王の急な退位が、全世界のカトリック教会に大きな影響を及ぼすことは理解しているが、神の前に確信を得た結果だという。ここ最近、カトリック教会では、機密情報の漏洩や、児童の性的虐待などのスキャンダルも発生しており、それら困難な問題を解決するだけの体力がないと判断したのではないかとも言われている。

この件、イスラエルでも速報で報じられた。ユダヤ教チーフラビのメッツェンガー氏は、「ベネディクト16世が、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の宗教間の対話をすすめたこと、イスラエルとカトリックとの距離が、これまで以上に縮まったことは特記すべきだ」とのコメントを出した。

石堂ゆみ

ジャーナリスト、元イスラエル政府公認記者、イスラエル政府公認ガイド、日本人初のヤド・ヴァシェム公式日本語ガイドとして活動しています。イスラエルと関わって30年。イスラエルのニュースを追いかけて20年。学校・企業・教会などで講演活動もしています。

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