日本でも報じられたことと思うが、ロンドン市長に、欧米の主要都市の指導者としては初となるパキスタン系のイスラム教徒サディク・カーン氏が就任し、注目されている。文字色
イスラム過激派が台頭する昨今、イスラム教徒のカーン氏が当選したことで、メディアが騒ぎたてたが、イギリスでは、すでに多数のイスラム教徒の政治家がおり、特に珍しいことではないという。
カーン氏も就任当初から、「私はイスラム教徒の市長ではなく、ロンドン市民の市長である。」と強調。最初の公式の仕事は、ホロコースト記念式典に参加することだった。
カーン氏は、パキスタンからの移民者の子で、父親はロンドン市内バスの運転手だった。貧しい境遇の中から、今の地位を築いた人で、人格者とみられる。
就任演説:http://www.theguardian.com/politics/video/2016/may/07/my-name-is-sadiq-khan-and-im-the-mayor-of-london-video
一方で、アメリカ大統領選で、「イスラム教徒はアメリカに入れない」と言っているトランプ氏に対し、「私はアメリカ訪問できないということか。」と厳しく批判。トランプ氏は、「例外はある。」と苦しい反論をした。
すると、「これは私だけの問題ではない。私の家族や知人。ロンドンにはたくさんのイスラム教徒がいる。トランプ氏は、イスラムについて無知だ。」と語った。
www.theguardian.com/politics/video/2016/may/16/sadiq-khan-donald-trump-muslims-ignorant-video
<イギリス労働党の反ユダヤ主義問題とカーン氏>
イギリスでは、今月初頭、労働党の党首ジェレミー・コービン氏が、ハマスやヒズボラとコンタクトをとっていることが明らかとなった。
さらに、コービン氏自身は、反ユダヤ主義に反対すると宣言しながらも、親パレスチナの立場と、ハマスやヒズボラとの関係は続けると言った。
こうしたことがきっかけとなり、労働党は、議席を大きく失う可能性が出て来た。このためか、コービン氏は、党内に反ユダヤ主義の問題があることを認め、これまでに党員50人を活動停止にしたことを明らかにした。
イスラエルでは、ホロコーストの時もこうしてじわじわと反ユダヤ主義が当たり前になっていったと懸念を表する記事もある。
今回、ロンドン市長になったサディク・カーン氏は労働党だが、コービン氏とは距離を置いていると伝えられている。
www.timesofisrael.com/uk-labour-chief-corbyn-rejects-call-to-denounce-hamas-hezbollah/