イスラエルとレバノンは、2024年11月に停戦協定に署名し、リタニ川より南部にヒズボラがいた場合は、レバノン政府がこれを取り締まることになっていた。
しかし、レバノンは十分にヒズボラを取り締まれなかったことから、イスラエルは自ら攻撃しなければならなかた。これまでにヒズボラ関係地点へ500回以上空爆し、殺害したヒズボラ関係者は、少なくとも230人に及んでいる。
イスラエル軍は、今週8月5日(火)、6日(水)にもレバノン北東部ベッカー高原にいるヒズボラの武器庫や、ロケット弾発射施設を攻撃し、レバノン保健省によると、ヒズボラ戦闘員2人が死亡していた。

こうした中、レバノン政府は8月7日(木)、アメリカが提示していたヒズボラの非武装化について、決議を行い、これを可決した。
「一つの国に一つの軍」という原則の元、ヒズボラを含む国内の組織が、武装することを認めないとしている。
ヒズボラは、今後、リタニ川南部だけでなく、北部でも武装することは許されないことになる。
この会議に出ていたヒズボラ代表は、会議から出ていくという形で拒否を表明した。その後、ヒズボラは、この決議がなかったかのように、これからも活動は続けると言っている。
レバノン政府は以前にも、ヒズボラの非武装化を提示したが、ヒズボラは拒否。実現できなかった。
今回、レバノン政府は、2025年末を期限に4段階で、ヒズボラの非武装化を進める計画で、8月末からそれに沿って、実施を進めるとしている。アメリカの在トルコ中東特使トム・バラック氏は、これを賞賛すると語っている。
なお、この決定には、イスラエルがレバノン全域から撤退し、レバノン領内でヒズボラへの攻撃は行わないことにコミットすることも含まれている。
しかし、イスラエルには、ヒズボラの脅威に対処する権利はあるとされている。ただ長期戦闘になりそうな場合は、レバノンの監視委員会に苦情を提示することとなっている。
ヒズボラは、イランからの支援を受けられなくなっているので、このまま弱体化し、非武装化する可能性はあるだろうか。そうなるように祈りたい。
